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食育基本法20年 広がる食育の輪、なお残る課題/農水省

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令和7年度食育白書を公表 共食減少や若年層への浸透が焦点

政府は16日、「令和7年度食育白書」を閣議決定した。今回の特集テーマは「食育基本法のあゆみ」。2005年の食育基本法制定から約20年を迎えたことを受け、法制定の経緯や4次にわたる食育推進基本計画の変遷、社会環境の変化と食育の役割について振り返った。

食育基本法は、食に関する知識と選択力を身につけ、健全な食生活を実践できる人間を育てることを目的に制定された。この20年間で、学校給食を活用した食育や農林漁業体験、地産地消、食品ロス削減、食文化継承など、食育の対象は家庭や学校だけでなく地域社会や企業活動にも広がった。白書では、学校や保育所、農林漁業者、食品関連事業者、ボランティアなど、多様な主体による取り組み事例を紹介している。

第2部では、第4次食育推進基本計画に基づく具体的な施策を掲載。「早寝早起き朝ごはん」運動や栄養教諭の配置、学校給食での地場産物活用、食品ロス削減、和食文化の継承などを取り上げたほか、大阪・関西万博における日本の食文化発信なども紹介している。

一方、第3部で示された目標達成状況からは課題も見えてくる。食育に関心を持つ国民の割合は79.1%と、計画策定時の83.2%から低下。家族と食事をする「共食」の回数も週9.6回から8.6回へ減少した。単身世帯や共働き世帯の増加、ライフスタイルの多様化、物価高騰などが背景にあるとみられる。

その一方で、食品ロス削減のために何らかの行動をしている国民の割合は77.2%と上昇し、郷土料理や伝統料理を月1回以上食べる人の割合も54.7%となり目標を達成した。環境や食文化への関心の高まりがうかがえる結果となった。

食育基本法制定から20年。食育は学校教育や家庭だけでなく、食品企業、生産者、地域団体など幅広い主体が担う国民運動へと発展した。食品ロス削減や食文化継承などでは一定の成果も見られ、食育の裾野は確実に広がっている。

一方で、単身世帯や共働き世帯の増加による「共食」の減少、若年層の食への関心低下、物価高による食生活の簡便化・節約志向の高まりなど、新たな課題も浮き彫りになっている。近年はタイパ(時間対効果)を重視する消費行動も広がり、食事を「楽しむ時間」から「効率的に済ませる行為」と捉える傾向も強まりつつある。

さらに、食品ロス削減や環境配慮、地産地消、和食文化の継承など、食育に求められる役割は健康づくりにとどまらない。人口減少やデジタル化が進展する中、次世代にどのように食の価値を伝えていくかが問われている。食育基本法制定から20年を迎えた今、食育は「何を食べるか」だけでなく、「なぜ食べるのか」「誰と食べるのか」を考える新たな段階に入ったと言えそうだ。

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