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「ボンカレー」進化へ「おいしさLENS」開発/大塚食品

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次世代へ長年のノウハウをAI活用し継承

「おいしさLENS」を開発

大塚食品は、次世代に向けた味づくり基盤として、味やレシピを学習・予測するAIシステム「おいしさLENS」を開発した。6月16日には琵琶湖研究所(滋賀県大津市)で発表会を開催し、主力ブランド「ボンカレー」での活用状況を公開。同研究所分析室主任研究員の石川泰平氏が登壇し、開発の狙いや具体的な仕組みについて説明した。長年培ってきた味づくりの知見をデータとして活用し、品質の維持と技術継承の高度化を図る。

■技術継承と原材料リスクに対応
石川氏は説明の中で、少子高齢化や人材流動化により、熟練研究員のノウハウ継承が難しくなっている現状を指摘。製品開発では多数の試作と官能評価を重ねるが、その過程で得られる知見は個人に依存する側面が大きいとした。また、気候変動や地政学リスクによる原材料の高騰・調達不安も品質維持の課題とし、「味を守る仕組み」の必要性を強調した。こうした背景のもと、同システムは約3~4年をかけて開発された。

長年のノウハウを可視化

■味の可視化とレシピ提案機能
「おいしさLENS」は、「Logical Exploration Navigation System」の略称で、官能評価データと試作レシピデータを組み合わせて学習する独自AIモデル。石川氏は、味の評価基準を統一するために218の表現を整理し、16の評価属性へ体系化した経緯を紹介した。これにより、原材料が味に与える影響度の定量化や、複数のレシピ候補の提示が可能となった。検証では、熟練研究員の判断と整合する結果に加え、新たな試作案の創出にもつながることが確認されている。

「ボンカレー」の継承と進化に期待

■データ基盤整備で開発効率化へ
さらに、約40年分・数十万ページに及ぶ開発資料を電子化し、レシピや評価、開発経緯を一元管理するデータベースの構築についても説明。新たな試作データをAIの学習基盤として活用する仕組みを整えたことで、従来は埋もれていた試作データの価値が高まった。今後は味覚・香り・食感センサーなどの測定データとの連携を進め、「おいしさ」のさらなる定量化を図る。

石川主任研究員㊨と鈴木真美研究員

「ボンカレー」さらに進化へ(写真は春の新商品)

少子高齢化や人手不足を背景とした技術継承の課題に対応するとともに、気候変動などによる原材料リスクにも備える。「おいしさLENS」による新製品開発は未定だが、まずは「ボンカレー」で活用し、今後は他ブランドへの展開も検討する。

大塚食品サイト
https://www.otsukafoods.co.jp/

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