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震災支援10年語る/キリングループ

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絆プロジェクトに手応え

キリングループは2月18日に「復興支援10年の歩みとキリンのCSV経営について」をテーマにしたオンライン会見を開催。東日本大震災における「復興応援 キリン絆プロジェクト」のこれまでの取り組みと展望について、キリンホールディングスの溝内良輔常務が語った。

溝内常務

2011年3月11日の東日本大震災でキリンビール仙台工場も甚大な被害を受け、操業停止を余儀なくされた。それから懸命の努力の末、8カ月後には操業再開にこぎつけ仙台工場は復興のシンボルとして被災地を勇気づけることができた。ところが被災地では多くの地域で復旧、復興が進まず、キリングループとして地域のために応援できることがあるのではないかと考え「キリン絆プロジェクト」を発足した。

プロジェクトでは11年から今年まで被災地に約65億円の支援金を拠出し、「地域食文化・食産業の復興支援」「子どもの笑顔づくり支援」「心と体の元気サポート」に充てられてきた。しかし成果の一端を示すことができた一方、復興の道のりは長く、寄贈事業の持続性の限界を痛感する。そこで着目したのが社会的価値と経済的価値を両立させる「CSV」(Creating Shared Value)の考え方。近年は社会課題の解決を事業成長の源とする、CSVを軸にした活動にも力を入れる。

13年から原発事故での風評被害を受ける、福島県産果実の安全性伝える「氷結 福島県産果実」シリーズの発売。岩手県遠野市で設立した農業法人によるホップ産地の創生、クラフトビール産業の振興に取り組み、高評価を得ている。

プロジェクト10年目の今年もキリンビール「一番搾り 東北に感謝 デザイン」、キリンビバレッジ「小岩井 純水東北ミックス」、メルシャン「日本ワイン」の売り上げの一部を被災地支援に寄付するなど取り組みを継続する。環境でも貢献しようと、キリンビール仙台工場には国内食品工場最大級(約2メガワット)の太陽光発電を導入し今春稼働開始。さらに、これまでのネットワークを土台に19年から被災地域の課題解決を支援する「東北絆テーブル」を、今春から一般社団法人化へと発展させる。

溝内常務はコロナ禍からの回復についても言及し、「復興支援で学んだCSV経営を生かしたい」と説明。今後はプラズマ乳酸菌による免疫機能維持のサポートといった「健康」や「地域社会」「環境」にも注力する。コロナ禍であぶりだされたアルコールの負の側面(免疫低下、精神的ストレス悪化、感染接触増)撲滅のための、デジタルマーケティングなどの自主規制の強化とノンアルコール・低アルコール商品を充実させる考えを示した。

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