乾物料理家の庄司いずみ氏が乾物のカンタンな調理法を紹介
日本アクセスは、「アクセス乾物乾麺市場開発研究会」の第1回講演会を11月5日に本社で開催。講師には伊藤忠商事と契約する野菜料理家の庄司いずみ氏を迎え、会員企業92社102人が参加した。
乾物乾麺市場開発研究会(通称:AK研、西村武会長/日本アクセス副社長)は、今年4月にメーカー111社が加盟してスタート。生鮮・デリカ開発研究会、外食流通研究会、市販用販促・開発研究会、海外・ネットビジネス研究会、原料販売研究会の5つの分科会を通じて、乾物乾麺カテゴリーの活性化、売場提案・販促企画の立案、食育・次世代への啓蒙、海外・輸出向け商材の強化、乾物乾麺を主原料としたデリカメニュー開発、新たな技術開発を伴った乾物乾麺開発などに取り組む。
今回、第1回目の講演会は「おいしくカンタン!もどさず使う乾物料理のテクニック」をテーマに、庄司いずみ氏が乾物の魅力を講演。同氏は切り干し大根やひじき、高野豆腐、麩など乾物の利点について、①軽い②安い③場所をとらない(常温)と前置きしながら、消費者がイメージする下準備(水戻し)が不要な各種調理法を紹介。そして、①時短・簡単②料理をおいしくする③大切なもの(戻すことで失われる栄養や歯応え)を捨てずに済むといったメリットを強調した。
講演後には参加メーカーから活発な質問が飛び交うなど好評だった。その中で各種書籍の海外での話題に及ぶと、庄司氏は「先々は乾物を海外の人へのお土産にしたい」と新たな展望にも言及した。
また、講演会に先立つ形で事務局から上期の採用事例と活動報告が行われた。採用事例としてはある大手SMや外食チェーン(居酒屋業態)、海外、国内加工メーカー向けで実績を挙げたほか、店頭ではカゴメと乾物の共同販促、西日本地区では嗜好性の強いそばカテゴリーでの販促効果が得られた。ネット通販・AmazonのSmilespoon内では、乾物乾麺の掲載数拡大と販売実績へとつなげた。
さらに会員企業の取組事例では、味の素が7月の展示会で初のコラボレーション。9月に東京で行われた乾物乾麺展示会でも「和食の日」を切り口に、「YES!We CANBUTSU」の取り組み、さらに11月の西日本会場では同社の「勝ち飯」企画とのコラボレーションを展開した。
家計調査によると乾物は直近5年間で109%と大きく伸長。その背景について、味の素家庭用第1グループの池田遼氏は、①和食②健康志向③作り置き④糖質オフ⑤保存食の5つのニーズの高まりを指摘。乾物の持つメリットが見直されつつある今こそ、新たな提案の好機と強調。時短、簡便・省手間、健康意識、レパートリーの拡大を踏まえたメニュー提案「YES!We CANBUTSU~かんぶつがあれば、何でもできる~」をテーマに、具体的な乾物メニューを訴求していく考えを示した。
同時に乾麺では「YES!WeCANMEN~かんめんがあれば、何でもできる~」をテーマに、季節に応じた乾麺メニューを提案する。猛暑対策と冷夏対策をポイントに挙げた。
さらに販促面では乾物・乾麺ともに11月と1月の和食販促での展開。独自の販促物を作成する。一部得意先では販促が決っているほか、今後は受験生応援、部活生応援の献立として、乾物で「勝ち飯」「おにぎり」を鰹節や金ごまを活用しながら訴求する。
日本アクセスの商品統括・マーケティング管掌を務める中村洋幸取締役常務執行役員は上半期を総括し、「展示会ではコラボメニューが得意先から高い評価を得られた。展示会は市場の底上げ、メーカーとの取り組み強化につながる」と期待を寄せる一方、「我々はメーカー知見を活かし、提案活動につなげる。どんどんコラボを進めたい」と協業姿勢を強調した。
また、乾物乾麺を直接担当する西潟修治商品統括・マーケティング管掌付兼乾物乾麺MD部長も「どんどん意見が欲しい。市販用はまだまだ厳しい」と、参加メーカーに協力体制を求めた。
なお、上半期の乾物乾麺販売は、乾物が前年比110.2%(市場は102.6%)、乾麺は100.7%(同96.7%)の合計107.1%と好調に推移した。
2019年11月25日付