自動化と人材育成を両立する次世代工場へ
東日本大震災で被災した主力工場の再建から約15年――。永谷園フーズは7月1日、茨城県高萩市に新設した高萩工場を報道関係者に公開した。総額約90億円を投じて建設した同工場は、「お茶づけのり」やふりかけ、フリーズドライみそ汁などを生産する永谷園グループの中核拠点。自動化設備やデジタル技術を積極導入し、生産能力を旧工場比約2割向上させるとともに、安全・安心なものづくりと働きやすさを追求した「次世代食品工場」として整備された。

工場全景および太陽光パネル
震災を契機に主力工場を刷新
高萩工場は、東日本大震災で被災した旧茨城工場の更新を目的に建設された。2025年7月に竣工し、設備移設を経て今年3月に本格稼働。敷地面積約4万5000㎡、鉄骨3階建ての新工場では、お茶づけ、ふりかけ、フリーズドライみそ汁など永谷園を代表する商品の製造・包装を担う。
工場見学会で挨拶した増田尚弘社長は、「高萩工場は永谷園の主力商品を、安全、高品質、高効率で生産し、お客様へおいしさを届ける最前線となる工場」と位置付けた。
永谷園フーズは2021年、全国8工場を一元管理することを目的に設立された。コロナ禍で人の往来が難しい中でも、Web会議を活用し、安全、品質、環境、生産技術、コスト改善などの部会活動を継続。各工場の知見を共有しながら、生産レベルの底上げを進めてきた。
増田社長は「6年目を迎え、当初目指した8工場一体運営はかなり実現できた」と振り返る。その集大成ともいえるのが、高萩工場だ。

永谷園フーズ 増田尚弘 代表取締役社長
生産能力2割向上 DXで「人に優しい工場」へ
新工場では、生産能力を旧工場比約2割向上させた一方、単なる能力増強ではなく、従業員の負担軽減も重視した。
工場全体を統括するのがMES(製造実行システム)だ。基幹システムと連携し、全生産設備や自動倉庫をリアルタイムで管理。原料投入から製造、包装、出荷までを一元管理することで、生産効率とトレーサビリティを高めている。
原料投入工程では、投入ホッパーと原料双方のQRコードを読み取り、製造指図と一致しなければ次工程へ進めない仕組みを採用。アソート商品の一部では、認証が完了しなければ開かないロック付きホッパーも導入するなど、ヒューマンエラー防止を徹底している。
また、塩や砂糖など大量原料はサイロから自動計量し、空気輸送で混合機へ投入。フリーズドライみそ汁用粉末みそもフレコン輸送へ切り替え、従来必要だった大量の開梱・計量作業を大幅に削減した。






