「味ぽん」大ヒットの裏側
特別対談イベント「石井が直撃!ここだけの話」。6月24日、名古屋市内でフリーアナウンサー石井亮次氏がMizkan Holdingsの中埜裕子社長にインタビュー。大阪出身の石井アナが最初にメディアの世界の門戸を叩いたのが愛知県のCBCテレビ。その愛知県で、220年以上も愛され続ける老舗企業の秘密に迫った。
石井アナが最初の質問に選んだのが、Mizkanのロングセラー「味ぽん」大ヒットの秘密だ。昭和30年代後半、家庭用でのぽん酢が一般的でなかった当時、特に関東では鍋の味付け文化の違いもあり全く売れなかった。そこで1967年に営業マンが毎日早朝から東京・築地市場に出向き、水炊きを「味ぽん」で食べてもらう活動を繰り返し、評価を上げた。しかし、更なる試練を迎えた。「夏場に返品が続出するのでは」との懸念が浮上したのだが、四国や九州では「味ぽん」を餃子や焼肉で食べていることが判明し提案を強化、窮地を脱した。
そんな「味ぽん」も昨年発売60周年を迎え、商品開発も進化する。〝地元を味わう 味ぽん〟シリーズとして、第1弾の「味ぽんfor宇都宮餃子」、第2弾では「北海道バタぽんby味ぽん」が登場し、いずれも好調な売れ行きを見せている。さらには、たまごかけごはん専用として開発された「味ぽんforTKG」はイベントでの試食から、SNSで話題を呼び商品化となった。
そして61年目を迎えた今年。中埜裕子社長が、オリジナルレシピ「ワンパンぽん!バター香る鮭の炊き込みご飯」を初公開。生鮭と生米、玉ねぎ、舞茸等の具材と、味ぽんなどの調味料を一緒にフライパンで炊き上げる。石井アナも思わず橋が止まらないおいしさだったようだ。他にもオリジナルレシピとして紹介された「無限さっぱりスパイスナッツ」は、現在、ドン・キホーテで大好評の「無限さっぱりスパイスby味ぽん」を使った簡単レシピ。こちらも手が止まらないおいしさのようだ。
長年愛され続ける秘訣とは
続いて迫ったのが「なぜミツカンが長年、愛され続けているのか」。中埜社長はズバリ!「チャレンジし続けているから!」と即答した。そこで紹介されたのが、「金のつぶ パキッ!とたれ とろっ豆」の容器開発。フタ部分をパキッと割ることで、中からタレが出てくる簡便性を追求した容器だが、そこには手で割る際の感覚・爽快感へのこだわりも。また、失敗したチャレンジにも触れ、日本にマクドナルドが登場した当時、「ハンダス」というファストフード店を東京に5店舗出店したが、すぐさま撤退を決断。さらには冷凍食品「タイムディッシュ」も手掛けたという。

中埜社長が作ったぽん酢サワー(ノンアル)に舌鼓
中埜社長は「失敗からの学び」を強調した。現状に満足せず、失敗を恐れずに常に挑戦する。そしてお客さまの反応が全て。ニーズや反応を見極める。自社の強みが生かせることをポイントに挙げた。
また近年はモノだけではなく、コトの提供も行っている。「Mizkanぽん酢」を割り材として使う「ぽん酢サワー」が話題を呼んでいる。これは、社内での新規事業案公募プログラムにおいて採用された、若手社員による1千万円で立ち上げたプロジェクトから始まった。他にも同社の体験型博物館「MIZKAN MUSEAM」(愛称MIM)では、「味ぽん」のマイラベルが作れる「マイ味ぽん」サービスが好評となっているが、今夏には「カンタン酢」でのサービスを開始予定。デジタルコンテンツの充実も図っており、進化を続けている。
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