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ネスレ日本の高岡浩三社長が特別講演/Amazon

投稿日:2019年12月6日

Amazon Business Exchange Tokyo(ABX Tokyo)を開催

ネスレ日本の高岡浩三社長が特別講演

Amazon(東京都目黒区)は12月5日、調達と購買を中心とした間接業務改革をテーマにしたビジネスカンファレンス「Amazon Business Exchange Tokyo(ABX Tokyo)」をJPタワーホール&カンファレンス(東京都千代田区:KITTE4階)で開催。同カンファレンスは10月にロンドンで開催されて以来2度目、日本でのAmazonビジネス開始から2周年を記念して初の開催となった。

Amazonビジネスは、個人向けで好評の品揃えと利便性、価値に加え、ビジネスニーズに特化した新しい機能やサービスを融合したビジネス向けEコマース。日本では2017年9月のスタートから2年が経過し、調達と購買におけるテクノロジーの活用や分析をベースにした経営効率の向上、従業員の業務負担軽減を、お客に対するイノベーション創出へとつなげていくための知見を共有する場として今回のカンファレンスを開催した。

Amazonビジネス事業本部の石橋憲人事業本部長

Amazonビジネス インターナショナル部門の統括責任者トッド・ハイメス氏

オープニングではアマゾンジャパン合同会社Amazonビジネス事業本部事業本部長石橋憲人氏が、調達・購買の現場で89%の責任者が1年以内に50%以上の購買プロセスを自動化したデータを紹介。また、間接材コストのマネジメント調査では、会社の購買で100%管理できている割合は直接材で30%、間接材は14%にとどまっている。中でも間接材購買における課題として、最も多いのがコスト削減(67%)、続いて可視化(58%)、処理や管理の業務コスト(48%)、コンプライアンスリスク(31%)となっている。これらの課題を「デジタルトランスフォーメーション」が解決する。間接業務改革を進めるには可視化と業務の効率化がポイントと指摘した。

Amazon.com,inc.Amazonビジネスインターナショナル部門統括責任者トッド・ハイメス氏が基調講演。Amazonビジネスは2015年4月にアメリカでサービスを開始してから、イギリス、ドイツ、日本、インド、フランス、イタリア、スペイン、カナダへと展開。同氏は「Amazon史上最速で成長しているビジネス」と紹介した。そして、27%の組織がデジタルトランスフォーメーションを終え、購買責任者は購買のデジタル化により40%のコスト削減を期待。そして、デジタル世代でもミレニアル世代が2030年までに企業の75%を構成すると指摘した。現在、94%の購買責任者は外部のマーケットプレイスを活用しており、現状3週間かかるプロセスをAmazonビジネスなら3日で解決できる点をアピールした。

基調講演後には実際のカスタマーが登壇してのパネルディスカッションを実施。コカ・コーラボトラーズジャパン経営改革本部エグゼクティブビジネスマネジメント部部長の木村賢司氏、メガネスーパーを運営するビジョナリーホールディングス執行役員デジタルエクスペリエンス事業本部本部長川添隆氏、一般財団法人日本気象協会管理本部財務部長大平修平氏の3人は、「不透明な間接材購買の可視化と収益性改善の実際」をテーマに対談。売上高1兆円を誇るコカ・コーラの木村氏は、年間の間接材購買は2000億円に達し、数十万点ものカテゴリーを可視化できない課題をAmazonビジネスの活用で削減が進んだという。
また、ヒューマンライフケア事業戦略室室長松坂哲史氏、星野リゾートグループオペレーション統括購買ユニット・ディレクター西部光洋氏、合同会社DMM.com人事総務本部総務部部長高橋応和氏の3人は「顧客に向き合うための購買業務効率化と社員エンパワーメント」をテーマにそれぞれの事例や成果、課題などを紹介した。

コカ・コーラボトラーズジャパン、ビジョナリーホールディングス(メガネスーパー)、日本気象協会が導入事例を語る

ヒューマンライフケア、星野リゾート、DMM.comの担当者も導入効果を語る

そして、特別講演にはネスレ日本代表取締役社長兼CEO高岡浩三氏が登壇。「顧客の問題解決にフォーカスする組織作り」のタイトルで、時代の変化、イノベーション、マーケティングの3つの要素からネスレ日本での成功事例を語った。同社は2011年~18年売上の年平均成長率は3%。2001年~10年の▲3.2%から大幅に改善。利益は2001年~10年で年平均+230bpsを達成。社員数はリストラをせずに3000人→2500人へと削減に成功した。営業マンの数も650人→350人。年間で55億円もの人件費削減につなげた。

グローバル企業の日本法人である同社の役割は、高齢化と人口減少により縮小しつつある先進国市場における持続的な利益成長モデルを確立すること。それを高岡社長はマーケティングとイノベーションで舵取りを行う。常々、高岡社長はマーケティングとは顧客の問題を解決することで市場の付加価値を創造することがマーケティングであり、「イノベーション」と「リノベーション」の違いを指摘してきた。消費者が認識する問題を解決するのがリノベーションであり、非認識問題を解決することこそがイノベーション。お馴染みとなった、うちわから扇風機、そしてエアコンへと進化するイノベーションを事例に挙げ、市場調査ではリノベーションを起こせても、イノベーションは容易に起こせないことを解説。21世紀型ビジネスモデルではIT活用は不可欠と強調した。顧客の所在を把握し、現実を直視できるか。そして顧客が抱える問題と解決策が用意できるかがマーケティングのプロセスとなる。同社は「ネスカフェ」「キットカット」のプレミアム戦略で成功を収めてきた。

高岡社長は、全部門でマーケティングが必要と指摘する。人事部門でも働き方のイノベーションが起きている。「すべてはお客様の『お客様』のため」が重要となる。

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