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海外寄与し増収増益/加藤産業

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経常は過去最高を更新

加藤産業は11月12日、2019年9月期連結決算を発表、西宮本社で会見した。

売上高1兆632億1900万円(前期比105.4%)、営業利益107億9500万円(105.9%)、経常利益125億700万円(108.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益71億4800万円(102.0%)の増収増益。

540億円強の増収のうち、マレーシアでの売上が200億円弱を占め、残る250億円はウエートの高い飲料の好調や提案営業の努力が結実した格好。粗利・経費率は前期並みで推移、物流費高騰等は深刻だが、売上の拡大でカバーした。結果、すべての利益で増益、経常は過去最高を記録した。

国内では全ての商品カテゴリー・地域で増収を達成。チャネル別ではCVSが1.1%、卸問屋で5.4%の減少となった以外は増収だった。なお、海外事業はマレーシアの卸業を連結子会社化したことによるのれん償却負担で、前期に同事業の営業損失5.8億円程度があったが、当期に償却が完了。次期から同社の利益分が純増となる。

各月とも売上は前期をクリアし、一部災害の影響があったものの、帳合変更による大幅な収支変動はなかったため、加藤和弥社長は「比較的、安定した1年だった」と評した。ただ、提案営業や海外など注力事業については「より加速して取り組むべき」と注文をつけた。

なお、期中に九州加藤を吸収合併。取引先の破綻・貸倒損失を要因に債務超過に陥っていたが、ここ数年は回復し黒字を続けてきた。地元の顧客と親密化を図る一方で、加藤産業本体と顧客が重複する傾向から、一体化した。

10月は増税の影響が懸念されたが、台風被害などから関東で買いだめ需要が強まったこともあり売上は堅調に推移。同月の単体売上は104%だった。海外はマレーシアのウエートが圧倒的だがベトナムも伸長。これらの国々ではメーカーが卸業を選ぶ慣習があり、選ばれる卸業を目指す。また各国単体ではなく、アジアの商圏を面で捉えるべく、加藤社長自らが3カ月に1度現地を訪問しているほか、現地駐在員が商品を紹介しあうなど連携を強化。全社売上のうちの海外構成比は未開示だが、中身を伴う商いを標榜。海外売上に対しては1割程度の利益確保を目指す。

今後の重点施策としては提案営業と物流効率化を掲げる。提案営業はこれまで展示会などで紹介している、POSデータを活用した売場作りなどを地道に進める。物流は積載効率を上げるなど生産性の向上を進めるほかサービスレベルの見直しを図る。

次期は売上が大きく伸長する要素が少ない一方でシステム投資が嵩むことから、今まで以上の営業力と物流コストの抑制が必要。管理システム構築により分かりやすくなってはいるため、取引の中身を見極めた手堅い施策で臨む。

次期予想は売上高1兆800億円(101.6%)、営業利益110億5000万円(102.4%)、経常利益127億円(101.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益80億円(111.9%)。

2019年12月2日付

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