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ジン拡大路線にまい進~大阪では工場見学も/サントリー

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国内ジン市場は450億円規模へ

翠・ROKUが業界けん引

塚原部長

鳥井和之氏

サントリーは、2月7日に「サントリージン」の戦略説明会を都内で開催。塚原大輔部長は、世界のジン市場と比較し「日本の市場には、さらに大きなポテンシャルがある」と自信をのぞかせた。2030年には、国内ジン市場450億円規模(23年比約210%)を目標に取り組んでいく。

昨年「翠(SUI)」「ROKU(六)」が、国内ジン市場を大きくけん引した。国産ジンボリュームが輸入ジンを逆転し、市場構成比65%を記録。中でも2千円未満の価格帯別市場内シェアは翠が約80%と、国産ジンの成長に大きく貢献。23年の売り上げは100億円を突破し、発売初年度(20年)から比べると約10倍に。主戦場が海外のROKUも、23年の国内の販売数量は前年比159%と好調に推移。今後もこの両輪で、サントリージン(ROKU、翠、翠ジンソーダ缶)の価値向上とユーザー拡大を狙う。24年のサントリージンの販売計画は、165億円(135%)と意欲的な姿勢を見せた。

ROKU(販売目標3.6万ケース/173%)は、国内のマーケティング活動に注力していく。「旬を味わえる贅沢なジン」をコンセプトに、新Web動画の制作やイベント、飲食店向けの販促活動を強化。さらにブランド初となる限定品「SAKURA BLOOM EDITION」を国内外で発売。国内ではEC、業務用で販売する。

翠(109万ケース/133%)は、キーメッセージを「いと清々(すがすが)し。翠ジンソーダ」とし、清々しいイメージ・爽やかな味わいを端的に表現。メッセンジャーに平野紫耀さんを起用し、新CMを発表。また「翠ジンソーダ缶」は、中味とパッケージをリニューアル。缶詰後の非加熱製法の採用により、ゆずの香りが際立つ味わいに変更。パッケージは、今以上に爽やかさを感じるデザインを目指した。

さらに2月から、生産能力の増強・品質向上を目的に大阪工場に55億円の設備投資を実施。主な内容はスピリッツ・リキュール工房の建て替え/新設、浸漬タンク5基の新設、蒸溜釜4基の更新、開発生産設備の新設。生産能力は現在の2.6倍を見込み、25年春から本格稼働を予定。

新メッセンジャーに平野紫耀さん

●大阪工場で見学会

会見当日、大阪工場ではメディア見学会としてスピリッツ・リキュール工房、瓶詰・包装ラインを視察。またROKU開発者の鳥井和之氏がサントリージン品質セミナーを行った。

包装ラインは3つのラインを使用。一般的な瓶・PETを扱うVラインでは、1分間に250本(250bpm)製造することが出来る。瓶詰工程では、空瓶のチェックなどはAIが行い、汚れなどの細かな点は人の目で確認する役割分担で、作業効率を上げる。

スピリッツ・リキュール工房では、4基の蒸留釜が稼働。うちステンレス製は、真空状態で蒸留し沸点を下げることで、果実・香草などの香りを保ったまま蒸留が可能に。さらに、原料酒に使う果実の皮を手作業でむくなど、様々な工夫が見られた。

セミナーでは、同社のモノ作りに対するこだわりを鳥井和之氏が語った。製法の考え方の例として、和食の「炊き合わせ」を挙げる。各素材を最適な方法で抽出し、最後に合わせるという製法を翠、ROKUに採用した。

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