濃縮拡充しシェア10%へ
サントリー食品インターナショナルは3月3日、「BOSS」ブランドのイエナカ戦略説明会をオンラインで開催。ジャパン事業本部ブランド開発事業部の大塚匠課長=写真=は働き方の急激な変化への対応として、需要が高まるイエナカ(家庭内)ニーズを取り込む必要があると語った。
「BOSS」の2020年の販売実績は自動販売機、コンビニの不振により前年比92%の1億270万ケースと前年を割った。しかしSOT缶はヘビーユーザーに向けた施策で高い市場シェアを堅持したほか、「クラフトボス」シリーズは2年連続で3000万ケースを達成。そして濃縮タイプ飲料「ボス カフェベース」などイエナカ商品は4割増で推移し新たな可能性を見出した。
そこで今年は飲み場、働く場所においてオフィス、イエナカのボーダーレス化がさらに進むと考え「クロスボーダー戦略」を打ち立てる。特に在宅ワークの定着に伴い顕在化した、自分自身をいたわる「ご自愛消費」、飲用杯数が増えたことによる「まとめ買い・大容量ニーズ」に着目した商品、販促を展開する。
発売5年目を迎える「クラフトボス」は「ALL is Reborn!!!」を掲げ、コーヒーは全面リニューアル、紅茶は「フルーツティー」を導入。イエナカ飲用強化にも乗り出し、これまで築いてきた〝ちびだら飲み〟を促進する。
16年の発売から昨年まで売り上げが約2.8倍に拡大した「ボス カフェベース」は、紅茶の新シリーズ「ボス ティーベース」(340mlPET、278円)を3月9日から発売。「リプトン」のインド産紅茶を100%使用し、希釈後の飲用時にRTD紅茶に比べ約3倍の紅茶原料を含有し本格的なティーラテやストレートティーが味わえる。フレーバーは「無糖紅茶」「紅茶 甘さ控えめ」の2種類。「カフェベース」とともにテレビCMも放映する。
さらに大容量ボトルコーヒー「ボス ホームカフェ 無糖」「同 甘さ控えめ」(各2LPET、230円)を4月13日から新発売。ボトルコーヒー市場の主流である900mlサイズはまとめ買いする家庭も多く、大容量サイズを1本で買う効率性とコストパフォーマンスを訴求する。コクと苦味、甘さのバランスが良く、すっきり飲める中身にもこだわった。
コーヒー総消費杯数のイエナカの割合は約6割。その内、ボトルコーヒーや濃縮タイプといったRTDコーヒー飲料は約35億杯と見込まれ、同社シェアは年間約2億杯の「ボス カフェベース」を中心に約5%を占める。大塚課長は新商品、プロモーションでイエナカ需要を活性化し、「早期にシェア10%以上を獲得する」と意気込みを示した。
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