変化対応で低温売り場専用商品
キユーピーは創業101年目に新たな事業に挑戦する。コロナ禍で大きく変化した消費者の生活様式に対応する「フレッシュストック」事業を始動し、2024年度に売上高150億円を目指す。
近年の共働き世帯の増加に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により、スーパーでの滞在時間や買い物回数の減少など、消費者の買い物の仕方や家庭内での調理行動が激変。さらにコロナ禍においては、3食の準備を手作りで行うことの大変さが改めて浮き彫りとなった。これを受け同社は、食ニーズの変化やwithコロナのニューノーマルに対し、フードサービスで長年培った調理現場のニーズやプロの味作りの技術とキユーピーグループの強みを生かし、スーパーなどの低温売り場でまとめ買いした商品を冷蔵庫にストックし、日々の食事で〝手軽にフレッシュな味わいの料理が楽しめる〟低温売り場専用商品を提案。すでに生鮮などの各売り場でテスト販売を重ねており、来春の本発売に向けアイテム数の拡充を図る。
第1弾商品はキユーピーが企画開発を担い、グループ各社が販売。調味料、パッケージ総菜、卵商品の3つを柱として青果、精肉・鮮魚、総菜コーナーで展開する。まずは、サラダクラブが青果売り場用調味料として「のせる野菜 おろし大根(だし仕立て)」「同 きざみ玉ねぎ(ゆず仕立て)」(200ml、298円/常温7カ月)を9月16日から発売。
精肉・鮮魚売り場では、ケイパックが「わたしのお料理 おろし大根 ゆず仕立て」「同 きざみ玉ねぎ 醤油ペッパー」(200ml、常温7カ月)などのテスト販売を10月以降に予定。総菜は独自の加熱殺菌技術により賞味期間30日を実現し、レンジアップ可能なパッケージ総菜「あしたのお惣菜 チキンと3種豆のトマトソース煮込み」「同 チキンと豆のごま豆乳クリーム煮込み」(160g、冷蔵30日)などを開発。8月末から首都圏を中心に順次テスト販売を開始している。販売はキユーピーとデリア食品が行う。
卵は〝割らない、剥かない、調理しない。Ready to EGG!〟をキーメッセージに、即食やアレンジニーズに対応した「殻無しゆでたまご」を発売。4月からコンビニエンスストアなどでデリア食品が「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」(1個入、冷蔵15日)のテスト販売を開始。キユーピーは「キユーピーのたまご 味付けたまご」(5個入)のテスト販売を関西で行う予定。
9月4日に渋谷オフィスからオンライン配信した記者発表会で長南収社長は、「コロナ禍で生まれた新たな食ニーズには、これまでフードサービスで培った技術とノウハウが役立つ」とし、家庭内調理に簡便・利便性を提供する新価値提案で、魅力ある売り場作りを目指すと新たな挑戦に自信を示した。
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