THE FOOD WEEKLY

TOP NEWS 調味料・香辛料 生鮮

フレッシュストック事業で魚の消費拡大へ/キユーピー

投稿日:

共同プロジェクトから魚料理専用ソース

 

「わたしのお料理 鮭の蒸し焼き」

キユーピーは、今春本格始動したフレッシュストック事業の夏戦略の一環として、「わたしのお料理」ブランドからの新商品3品を6月23日に発売する。6月9日に開催したオンライン記者発表会では、新商品開発にも関わった「魚の消費拡大 共同プロジェクト」の概要についても明らかにした。

新型コロナにより変化した新たな食ニーズに応えるため、昨年9月に始動したのがフレッシュストック事業。調味料、パッケージ惣菜、たまご商品を柱に生鮮3品・惣菜・日配などの低温売場専用商品を販売する。主な商品はキユーピーが企画開発し、グループ各社が販売する。目標の一つである国内事業の成長に向け、グループ力を最大限に活用する。今春の本格始動では、新ブランド「わたしのお料理」から肉料理用ソース3品を3月1日に発売している。

肉料理用に続き、今回同ブランドから新発売するのは魚料理用ソース「鮭の蒸し焼き」。「ガーリックソース オリーブオイル仕立て」「バジルソース パルミジャーノ・レッジャーノ入り」「トマトのソース ブラックオリーブ&ケッパー入り」の3品。いずれも鮭の切り身と野菜を合わせてフライパンで調理するだけで、食卓映えするボリューム感のある蒸し焼き料理ができる。同商品の販売はグループ会社のケイパックが行う。

キユーピーが、精肉に次ぐ素材として鮮魚に着目した背景には、魚の生産量・食卓出現率の減少傾向にある。「魚離れ」が社会問題視される昨今、重要栄養素であるオメガ3脂肪酸を、食生活において「魚料理でもっと手軽に摂取して欲しい」との思いがあった。

そこで提案力向上のために立ち上げたのが「魚の消費拡大 共同プロジェクト」。商品の企画開発のほか、献立から後片付けまでをサポートする。

参画するのは5社。東京・豊洲市場内で生鮮魚介類の仕入れ販売を行う山治は、魚のプロとしておいしい食べ方や栄養についての認知啓発を行う。回転寿司店などを運営するエムアンドケイは、味の伝道役として16店舗でコラボメニューを7月中提供する。大人気ホットプレート「BRUNO」を販売するイデアインターナショナルでは、7~10月に魚と野菜の「ホットプレートBBQ」を提案。ABCクッキングスタジオでは、野菜と魚介を組み合わせた蒸し焼きメニューをオンラインレッスンに取り入れ、試食調査会の結果などをWEBサイトやSNSなどで発信する。なお共同プロジェクトでは、献立立案を含む調理前準備から後片付けまでの全作業を「おうちごはん」と捉えており、P&Gジャパンでは食器用洗剤「JOY」ブランドで「鮭の蒸し焼き」の発売同日にプレゼント企画を実施し、認知拡大に貢献する。

またキユーピーでは、共同プロジェクトの立ち上げに先駆け、昨年9月に既婚女性1500人を対象とする食生活調査「えがおの食生活研究」を実施。食生活満足度と調理スキルの低下傾向が表面化した。6割が「献立を考えるのが面倒」、3割が「献立のレパートリーが少ない」などと回答し、食生活における幅広の提案・サポートの必要性が浮き彫りとなった。

発表会では新商品・共同プロジェクト概要などを長南収社長=写真=が説明。「内食における不便解消に役立てることはまだまだある」と述べ、課題解決に向けて積極的に取り組む姿勢をみせた。また、足元の販売状況についても順調な推移と改めて強調した。売上高は上期12億円、通期では25億円程度を見込む。

魚料理用ソースシリーズの今後の展開は未定だが、共同プロジェクトによる新商品開発の可能性を示唆。7月から日配の新商品をテスト販売する計画もあり、フレッシュストック事業をさらに拡充していく考え。

2021年6月14日付

-TOP NEWS, 調味料・香辛料, 生鮮

Copyright© フードウイークリーWEB|週刊食品 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.