現代人へ〝香り〟で勝負
伊藤園はウーロン茶飲料の新製品「烏龍茶」(650mlPETボトル/140円、275mlPETボトル/93円)を7月6日から発売する。1980年に世界初の無糖茶飲料「缶入りウーロン茶」を開発して今年で40年。現代人の嗜好に合った味覚設計で、ウーロン茶飲料新時代を築く。
近年、健康志向の高まりなどを背景に、清涼飲料市場における無糖飲料の割合は拡大。その割合は2019年には49.9%(全国清涼飲料連合会調べ)となり、先駆けとなったのが「缶入りウーロン茶」だ。しかしウーロン茶飲料市場は1994年の約2700億円をピークに漸減傾向にあり、現在は約650億円にまで落ち込んだ。
6月26日に本社(東京都渋谷区)で会見したマーケティング本部副本部長兼新ブランド育成グループブランドマネジャーの内山修二氏は、ウーロン茶飲料の落ち込みについて「ユーザーの飽き、味わいへの不満がある」と分析。そこで現代人に合った味わいを作り出すことで再興できると考えた。参考にしたのは、同社が過去5年間で売り上げを5割以上伸ばす「ほうじ茶」「むぎ茶」「ジャスミン茶」。「3品に共通するのは心地良い自然な香り。今回〝香りを楽しむウーロン茶〟を目指した」(内山氏)。
新製品「烏龍茶」は、原料茶葉に華やかで甘い香りが特長の「色種(しきしゅ)」を8割、鮮やかな赤褐色の水色(すいしょく)にすっきりとした渋みが特徴の「水仙(すいせん)」を2割使用。茶葉の特長を最大限に生かすため、各々に最適な抽出を行い、バランスよくブレンドすることで、烏龍茶本来のコクがありながらもすっきりとした後味に仕上げた。また容器は環境に配慮しラベルを約33%薄膜化。ボトル重量は約36%軽量化(既存品比)し、女性にも持ちやすい〝くびれ形状〟を採用した。
食事との相性が良く、パスタ、ラーメンなどと一緒に食中茶としての飲用を提案しており店頭販促物も用意する。手売りチャネルを中心に年間販売量200万~300万c/s、ウーロン茶飲料計で前年比125~130%を計画。2年目以降はラインアップの拡充も検討しており500万c/s規模を狙う。
既存品「ウーロン茶」も併売し、パッケージの色から既存品を「黒のウーロン茶」、新製品を「赤のウーロン茶」と表現。内山氏は「これまでの40年間ウーロン茶飲料を磨き続けたのが第1ステージで、今後はすっきり本格派の『赤のウーロン茶』で第2ステージを築く」と意気込みを見せた。
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