異業種12社で新会社設立
サントリーMONOZUKURIエキスパートは、使用済みプラスチックの再生資源化に向け業界を超えた12社との共同出資会社「アールプラスジャパン」を6月5日に設立。同30日にオンラインで会見を開き、サントリーホールディングス(HD)新浪剛士社長らが概要を説明した。
新会社設立に出資したのはサントリーをはじめ、東洋紡、レンゴー、東洋製罐グループHD、J&T環境、アサヒグループHD、岩谷産業、大日本印刷、凸版印刷、フジシール、北海製罐、吉野工業所のプラスチックのバリューチェーンを構成する12社。2012年からサントリーが植物由来原料100%使用PETボトルの共同開発に取り組む、米国バイオ化学のベンチャー企業・アネロテック社の技術を活用し、環境負荷が少ない効率的なプラスチック再資源化技術の開発に挑む。
PETボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼されている。しかし今回はアネロテック社が持つPETボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクルの技術を活用。しかも従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理でき、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながると期待される。
今後は回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料メーカーなど業界を超えた企業間の連携を強化。2027年までに広範囲における再生プラスチックの実用化を目指す。
新浪社長は、使用済みプラスチックは海洋ごみ問題と合わせ喫緊の課題とした上で「日本発の技術で解決したい。将来は政府、自治体との協力体制の構築、アジアなど世界展開も視野に入れている」と構想を明かした。
アールプラスジャパンの社長には、サントリーMONOZUKURIエキスパートの横井恒彦執行役員が就く。横井社長は「新技術が開発されれば、理論上無限に再生プラスチックを作ることができる。事業拡大へ業界問わず、新たな出資会社も募っている」と自信を見せた。
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