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国内初の加熱殺菌システム導入/幸南食糧

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チルド総菜に地域農産物活用

食品開発センター西館

幸南食糧(大阪府松原市、川西孝彦社長)は、松原市のレトルト米飯製造工場である食品開発センターにチルド製造の新棟西館を5月に竣工した。8月の稼働予定。食感や栄養素を損なわない業界初の「マイクロ波加熱調理殺菌システム」を導入し、チルド総菜などの展開を加速させる。6月17日に西館で内覧会を開催した。

川西社長

川西社長は西館の稼働および惣菜強化について「地域と連携し、おいしい旬を演出することで、お米を食べる機会を創出する」と決意を表明。同社は米穀卸事業を主力にレトルト米飯などの製造販売も行うが、近年の米の消費量はピーク時と比べて半減しており活性化が課題という。そこでごはん消費拡大に向けて簡便なチルド惣菜を開発するに到った。生産者支援で地域農産物の活用と販売をサポートする「地域活性化研究所」事業も展開しており、今回のチルド総菜に地域農産物の活用も検討している。

新導入の「マイクロ波加熱調理殺菌システム」は、スウェーデンのMicVac社製で国内初。1ライン3億円(生産能力3000個/時)の設備2本を新設した。

新システムはマイクロ波を照射し、加熱した食品から発生した蒸気で加圧調理。加圧でフタに付いた特殊なバルブが開き、蒸気とともに内部の空気を排出することで低酸素状態になる。そのためシャキシャキ感などの具材感や素材本来のおいしさ、栄養素を極力逃がさず、約15分と短時間で調理殺菌できる。蒸気を使うため水分を考慮したメニュー開発が必要。賞味期限は冷蔵45日で、食品ロスや機会ロスの削減につながる。レンジ調理専用。

新製法採用の市販用商品は9月の発売予定。レンジで4分調理のラザニアなど洋風3品を計画し、250~300gで398円~498円を想定。中華、和風メニューも予定する。業務用でも展開し、人手不足の外食業界などに提案する。

なお同社ではカップ入りレトルト米飯にも注力しており、特におかゆを育成分野に位置づけている。現状5億円を販売するが、2年後には8億円に拡大させ、レトルトおかゆ市場80億円のうち、シェア10%の獲得を目指す。また「明日につながる地域活性プロジェクト」として、東日本大震災の災害地である岩手県陸前高田市産の米を使ったパックごはん5万食を製造。大阪府などへの寄贈や西日本での販売を行う。取り組みは毎年継続していく考え。

【食品開発センター概要】住所:大阪府松原市岡2―6―11▽敷地面積:4950㎡▽延床面積:3729㎡(西館2329㎡)▽スタッフ:40人▽生産品目:レトルト米飯、チルド加工品▽生産能力:レトルト加工品5万個/日、チルド加工品3万個/日。

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