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営利計画前倒し達成/日清オイリオグループ

投稿日:2020年6月1日

20年度業績予想は慎重に

日清オイリオグループは、2019年度決算を5月12日に開示。久野貴久社長は21日のテレフォンカンファレンスで、報道陣からの質問に答えた。

2020年3月期業績は、売上高3334億1600万円(前期比97.2%)、営業利益131億3300万円(101.4%)、経常利益126億3400万円(92.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益82億9300万円(91.7%)。利益面では計画を上回り、中期経営計画の目標である営業利益130億円を1年前倒しで達成した。海外売上高は前期比14.2%減の531億1100万円。

久野貴久社長

セグメント別売上高ではファインケミカルを除き減収。営業利益は期末のパーム油先物評価下落が響いた加工油脂の押し下げ分を、物流費・販促費等の増加はあったが油脂・油糧および加工食品の付加価値品、中食・外食向け拡販による販売数量増加、搾油採算の改善で補った。

中期経営計画の進捗について、ホームユースでは〝かけるオイル〟など付加価値カテゴリーの売上高が過去3年で約1.4倍に拡大。業務用でも「炒飯油」「炒め油」「麺さばき油」など機能性オイルの販売が2倍に拡大。汎用油も安定した収益獲得に成果。

加工油脂事業ではマレーシアのISF社が付加価値品の販売を推し進め収益を拡大。大東カカオの生産能力を増強するなどグローバルプラットホームの強化が進む。さらに持続可能性に配慮したパーム油の調達を拡大し、認証パーム油の使用割合は43%。

ファインケミカル事業では化粧品原料を中心に拡大する需要に対応し収益を伸ばし、20年度には磯子の新化成品工場が完成する。ヘルスサイエンス事業ではMCTオイルを中心に事業拡大。期末の認知率は32・3%、販売は16年度比で2.9倍の成長を見せる。独自素材「結晶性油脂」は地域限定ながら販売を開始した。

中計最終となる2020年度業績見通しは、売上高3200億円(96.0%)、営業利益104億円(79.2%)、経常利益108億円(85.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益72億円(86.8%)。新型コロナウイルスの影響が年間を通じて残ると予想。ホームユースは数量の増加が予想されるが、業務用の大幅減で油脂全体では10%弱の減少を見込む。搾油採算もミールバリュー低下から悪化予想。加工油脂ではISF社の販売が10%減、ファインケミカルも化粧品原料の販売が約10%減少する見通し。国内汎用油の安定収益の獲得と海外事業の拡大を基本方針に、これまでの成果を継続、徹底的に付加価値ビジネスを追求し次期中計へつなげる。

久野社長は5月の連休明け以降の販売について、ホームユースは若干の落ち着きがありつつも依然活発な消費動向が伺えることから安定供給を優先。業務用には大きな変化は見られないとの現状を明かした。

2020年6月1日付

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