社員一人ひとりの熱量を価値創造につなげ、生活者との接点を強化

伊藤執行役員
味の素AGFは8月26日、本社(東京都渋谷区)で会見を開き、伊藤英郎執行役員が今後の事業活動における企業姿勢や取り組みについて語った。コーヒー豆やクリーミングパウダー原料の相場が上昇し、高止まりが続く厳しい事業環境を説明。その上で「技術の進化や価値創造はどのようにできるのか。源泉(サクセスファクター)は『熱量=自分事化』だと思う」と述べ、社員一人ひとりが業務を自分事として捉え、熱量を持って取り組むことの重要性を強調した。
■原料高の環境下、自然の恵みを生かす
同社は、スティックミックスを事業の柱の一つとしており、原料価格の上昇は事業にも影響する。伊藤執行役員は「グローバルで資源の制約がより顕在化してくる時代」とした上で、「自然の恵みを余すことなく、しっかりと使い、さまざまな技術革新や価値創造を通じて、生活者の皆さまにいろいろなものをお届けしたい」と語った。
こうした中で同社が重視するのが、社員一人ひとりの仕事に対する熱量だ。業務を単に与えられた仕事として捉えるのではなく、自分自身のこととして考え、行動する「自分事化」が、技術の進化や新たな価値創造を生み出す原動力になると考える。
■「Philosophy」をブラッシュアップ
同社は今年4月から、社内公募メンバーによる自社の「Philosophy(フィロソフィー)」のブラッシュアップに着手した。「ブラッシュアップ」プロジェクト12人、「循環」プロジェクト15人が活動し、全社でフィロソフィーを自分事化する循環活動を進めている。
フィロソフィーでは、コーポレートスローガン「いつでも、ふう。AGF。」の下、「一人ひとりに寄り添い、こころのゆとりが生まれる『ふう。』を届けて世界中の毎日を、ちょっと幸せに。」という「志」を掲げる。また、「AGF SV(AGF Creating Shared Value)」では、3Rの提供による社会価値と経済価値の共創を目指し、「AGF Way」として「Roast」「Blend」「Drip」を行動指針に設定している。
伊藤執行役員は、フィロソフィーや行動指針を「作っただけ」で終わらせないことが重要だと説明。「自分の業務一つひとつは小さいかもしれませんが、これが積み重なると、ちゃんとした社会価値であったり、経済価値になっていることを理解し、熱量を持って向き合う」ことを社員に促していく考えを示した。
■生活者との接点を「試みと学び」に
「自分事化」を進める具体的な取り組みとして紹介したのが、「『ちょっと贅沢な珈琲店®』ハンドドリップ教室」だ。社員が生活者にコーヒーの楽しみ方を伝えるほか、社員自らが講師を務めることで、生活者と直接つながる機会を創出している。
同社は、こうした活動を「試みと学び」の場と位置付ける。伊藤執行役員は「生活者と直接つながることができる活動を重視し、その機会(試みと学び)を大切にします。そこから得られる熱量こそが自分事化を後押しし、さまざまなサクセスファクターになると思っている」と説明した。
ハンドドリップ教室の参加者からは、「セミナー内容がとても分かりやすく、人に伝えたい内容だった」「メーカーの方の熱い思いが聞けてよかった」といった声も寄せられている。生活者の反応を直接感じることで、社員自身が商品の価値や仕事の意義を改めて実感する機会にもなった。
また、商品について「作って終わり」にしない姿勢も強調。手に取った生活者がどのように楽しむのか、それを少しでもご一緒に支援したりすることができないか。「そうした活動をしっかり進めていきたい」と語った。
最後に「社員一人ひとりが熱量を持って、AGF SVを自分事として捉え、さまざまな素晴らしい価値をお届けしながら、世界中にちょっとした幸せをお届けできる活動をしていきたい」と述べた。
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