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「ホイップの匠」事業をスタート/森永乳業

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愛工舎製作所と共創し、職人の〝勘と経験〟をデータ化

左から森永乳業の中尾俊一郎執行役員、橋本氏、愛工舎製作所の栗原博美常務

森永乳業は8月26日、職人によるクリームのホイップ技術をデータ化し、専用ミキサーの自動運転プログラムで再現するサービス「ホイップの匠」を開始した。初日には同社研究・情報センター(神奈川県座間市)で発表会を開催し、経営企画部新規事業開発グループの橋本一平氏が概要を説明した。

■人手不足と技術継承に対応
食品製造現場では、人手不足に加え、熟練者が経験や感覚を通じて培ってきた技術の継承が課題となっている。特にクリームのホイップ工程では、商品や製造条件に応じた調整が必要で、目指す仕上がりを安定して実現するには作業者の経験や感覚が求められる。

橋本氏は「クリームの研究開発に長く携わってきたが、実際にホイップクリームを製造するお客さまと接する中で、『ホイップクリームを狙い通りにつくること』に多くの課題があることに気付いた」と説明。「その課題を解決したいという想いから生まれたのが『ホイップの匠』」と事業の背景を語った。

橋本氏による実演

■商品・顧客ごとに自動運転プログラム
「ホイップの匠」は、職人が培ってきたホイップ技術をデータとして記録し、顧客ごと、商品ごとに個別作成した自動運転プログラムによって、理想の仕上がりを専用ミキサーで再現する。プログラムをミキサーに登録した後は、経験の程度にかかわらず、ボタン操作によって設定条件に基づくホイップ製造が可能になる。

橋本氏は、実際の洋菓子製造工場での実証実験について、特定条件下ではホイップの自動運転導入により1時間当たりの製造台数が1.5倍となり、1回当たりのホイップ時間も34%短縮できたと説明。現場からは「狙い通りの品質に仕上がった」「誰でもホイップができるようになった」といった声に加え、「心理的な負担が減った」との声もあったという。

職人の技を再現

■愛工舎製作所と共創
新サービスは、挑戦する組織風土の醸成と新たな事業の創出を目的に、2022年度より社員を対象として実施している新規事業創出プログラム「Mori“NEW”」の初年度に採択された事業案の一つ。森永乳業が自動運転プログラムを提供し、専用ミキサーの製造・販売・保守を愛工舎製作所が担当する。森永乳業が長年培ってきたクリームの研究開発の知見と、愛工舎製作所が持つ撹拌・混合技術や食品製造機械のノウハウを組み合わせ、事業化した。

対象はクリームのホイップ工程を持つ食品製造事業者で、全国で展開。利用には別途専用ミキサーが必要となる。

ケーキ作りにそん色ない出来ばえ

■「匠の技」を未来へ
今後、ホイップにとどまらず、メレンゲやスポンジケーキの生地、タルト生地など、撹拌工程を伴う食品製造への応用も視野に入れる。橋本氏は「職人の技術や感覚をデータとして未来へつなぎ、誰もが安定した品質のホイップを製造できる環境づくりを通じて、おいしい洋菓子をこれからも届け続けられる社会に貢献したい」としている。

「ホイップの匠」専用サイト
https://whiptakumi.morinagamilk.co.jp

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