各地のメニュー、調理器具など統一呼称決めない
粉もん関連の協会団体らが組織する鉄板会議実行委員会は10月4日、大阪のなんばグランド花月ビル・YES THEATERで「鉄板会議2022全国会議」を開催した。
文化庁では国内各地の食文化を対象に、食の文化財登録への関心を高め継承を促す「100年フード事業」を推進。これに共感する同実行委員会は、食文化継承活動として鉄板会議を立ち上げ粉もん文化の伝承に取り組む。
初年度となる今年はお好み焼をテーマに、北海道から熊本まで全国12カ所でエリア会議を開催。各地のお好み焼の特色などについて議論し、その集大成として全国会議を実施。集まった約80人の実行委員会メンバーやお好み焼店店主に概要を報告した。
鉄板会議実行委員会・熊谷真菜代表(日本コナモン協会会長)は食文化の研究を40年にわたり続ける中で、各地の食文化の記録に挑んでいる。「100年後も、そのおいしさ・楽しさを残したい」と意欲をみせた。この後、文化庁・野添剛司参事官らが来賓挨拶を行った。
熊谷代表はエリア会議の報告として各地のお好み焼メニューや特長などを紹介。さらに上方お好み焼たこ焼協同組合・山下真明会長、高砂にくてんの会・島本邦夫会長、広島てっぱん同盟・宇根本茂氏、とくしま鉄板連・和泉衛氏、三津浜焼きプロジェクト・渡部裕司氏もそれぞれの〝地域の味・文化〟を解説した。
北海道や東北など、もともとお好み焼文化がなかった地域でも今では浸透しており、独自の工夫を加えたメニューも登場している。関東では江戸末期からお好み焼を展開し、大阪より古い歴史を持つ。また関東では「いか天」のように「○○天」と呼び、関西の「○○玉」(豚玉など)と違った呼称であることも伝えた。さらに関西の混ぜ焼き、広島の重ね焼きなど調理方法の違いとその広がりも紹介したほか、調理器具の名称が地域によって「コテ」「テコ」「ヘラ」「返し」など異なるが、今回は統一呼称を決めないことが報告された。
協賛メーカーからは日清製粉・上原岳夫営業企画部長が小麦原料の状況について説明したほか、オタフクソース・佐々木孝富社長が、ソースとお好み焼について解説。最後に〝コナモン100選〟として、後世に残すべき各地のコナモンメニュー12点を発表し、記念すべき第1回全国会議を終えた。
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