3㎏以上の大物は「特選京鰆」と呼ばれる
京都の冬の味覚といえばカニを思い浮かべる人が多そうだが、これから注目を集めそうな食材が「京鰆」。脂がたっぷりのって甘みが強く、身はやわらかくて淡白な味わいが特徴。京料理の西京漬けにも欠かせない魚だ。
京鰆は海流や海水温の影響で約15年前から急激に日本海での漁獲が拡大しているが、冬の味覚の中ではまだまだニューフェイス的存在。10月以降に旬を迎えるといい、いまがまさに脂が乗って旨い。近年では水揚げ量の多い舞鶴市が中心となってプロモーションを展開しており、一般社団法人舞鶴市水産協会は12月10日に専門紙を招き、その魅力をアピールした。
京鰆の定義は1.5kg以上ある脂の乗った鰆を指し、その中でも3kg以上の大物を「特選京鰆」と呼ぶ。今年は11月24日から出荷を始め、来年3月下旬頃まで出荷を続ける。昨シーズンは約50tを出荷したが、今年の現状の漁獲状況も順調という。
特選京鰆は1m近い大きさとなるため、身体を傷つけないように漁獲後は船上ですぐに氷が打たれ、身割れしないよう丁寧に扱われる。陸揚げ後は品質と鮮度を保持する専用の保冷箱に入れて運ばれる。
京鰆が集まるのは京都府漁業協同組合舞鶴地方卸売市場。ここでは脂の量や重さを測定し、特選京鰆を選抜した後に活発なセリを行っていた。同時期に旬を迎える寒ブリと比べても相場は安く値頃感あり。京鰆の認知度はまだ低いが、そのおいしさと買い求めやすさが認知されれば、大きな需要も期待できる。
東京の豊洲市場への出荷が最も多く、舞鶴市では地元食材を使った料理による観光客のおもてなしを推進しており、舞鶴市内では多くの京鰆料理が提供されている。
中でも料理旅館「霞月」がおススメ。京鰆が1~2品入った会席料理を5000円~7000円前後で提供する。刺身は甘みを強く感じられるが、皮を炙ってポン酢で食すと香ばしさも加わりひと味違った魅力が味わえる。しゃぶしゃぶはたっぷり乗った脂の旨みをしっかりと感じられる。この他、京鰆の松茸挟み杉板焼き、京鰆のかぶら蒸しなど、調理の技が光る料理も楽しめる。
京鰆など舞鶴の名物が買える場所は「舞鶴港とれとれセンター」。地元の鮮魚仲買人も出店し、新鮮で買い求めやすい水産物がズラリ。鮮魚やカニ、貝などをその場で海鮮焼きや刺身にして食べることもでき、京鰆では揚げ物や焼き物が並ぶ。また、舞鶴かまぼこも名産品。鮮魚のすり身をたっぷり使い、独自の2段蒸しでシコシコとした食感に仕上げている。
舞鶴市ではこうした多彩な食の他にも海軍ゆかりの街として、遊覧船観光や赤れんが群など観光スポットも豊富。今年の冬は舞鶴がおすすめだ。
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