ECサイトで漁師さん応援プロジェクト
コロナ禍で飲食店やホテルの苦境が続くが、生産者など関連業界にも影響は波及している。国内の農水畜産物は取引が減少し、水産物も出荷が停滞。特に養殖は正常な生産サイクルが回せず厳しい状況。消費を促して需要を守っていく必要性が浮き彫りとなっている。
そこで農林中央金庫、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)は、水産物の魅力発信と需要喚起のため、食の都・大阪からイベントを開始。「ギョギョいちpresents 漁師さん応援プロジェクト」を2月2日~3月14日まで実施する。「ギョギョいち」は、消費者の直接購入を促すため、JF全漁連が昨年始めたECサイトだ。
プロジェクトでは三井不動産の協力により大阪の飲食店で国内水産物を使ったメニューを提供。中之島三井ビルディングの社員食堂「CUIMOTTE」では、海の具材がたっぷり入った「スペシャル海鮮巻」を発売し、節分シーズンには「8種具の贅沢恵方巻」が登場。650円。国内産のマグロ、タイの刺し身に加え、大阪で取れるタコやシラス、滋賀のビワマス、兵庫ののりなども使われている。淀屋橋odonaの和食うおまんでは、鹿児島垂水漁港直送のカンパチを使った「ごまぱち丼」790円を数量限定販売。
さらにFM大阪の番組「赤maru」とタイアップした「全漁連ギョギョmaru!」を、2月2日~3月2日の毎週火曜計5回放送。5万円分の豪華水産物が当たるコーナーも。他にはJ:COM「かもん!おおさかもん!」や、せんべろシリーズが人気のYouTuberケニチkenichiとコラボした情報発信、Instagramキャンペーンも実施。
大阪の発表会では〝ギョギョトーク〟
1月28日にはFM大阪で発表会を開催。オンラインで登壇したJF全漁連の石川和彦参事=写真=は漁業の現況について、コロナ禍での業務用の需要減少に加え、気候変動による不漁や価格高騰といった厳しい環境を説明。昨年の大阪の水産市場の取扱金額は前年比で10%減少したという。農林中央金庫の松永諭常務執行役員は農産、花卉、水産などの活性化に向けた支援活動に全力を注ぐと語った。
トークショーも行われ、「全漁連ギョギョmaru!」に参加するお笑いコンビ「モンスターエンジン」(西森洋一、大林健二)とFM大阪の赤松悠実DJに加えて、ケニチkenichiも登壇し、魚大好きギョギョトークを繰り広げた。
釣り好きの西森は「子どもと軍隊のように釣りに行き、サバをサバ折りにしてシメた」と会場の笑いを誘い、大林は「2m近いブリを小さな台所で血まみれになりながらさばいた」と、コロナ禍で料理スキルが向上したと笑いを交えてアピール。ケニチkenichiは「ガッチョの唐揚げを日本酒大関と合わせるのがうまい。ハマチも最高」とこだわりを語った。
フォトセッションでは節分が近いことから、登壇者が「8種具の贅沢恵方巻」を持って、疫病退散と水産物の需要拡大を祈念した。
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