惣菜製造の効率化へ「調理・冷凍・解凍」を一連で検証
特殊冷凍ソリューション事業を展開するデイブレイクは8月26日、スチコン対応容器を活用した「容器調理」から「冷凍・解凍」までの一連の工程を実演するセミナーを開催した。人手不足が深刻化する食品業界における調理負担の軽減や計画生産をテーマに、「容器調理×特殊冷凍」による惣菜製造の新たなオペレーションの可能性を検証した。
セミナーでは、おでん、ハンバーグ、唐揚げ、さばの味噌煮、回鍋肉、かつ煮を題材に、容器への盛り付けからスチコン調理、冷凍・保管、解凍までを実演。調理済み商品をストックし、必要なタイミングで提供することで、需要変動への対応や店舗での調理負担軽減につなげるモデルを紹介した。
生の食材を容器に入れて調理(実演①)
実演では、大きく3つのモデルを提示した。1つ目は、生の食材を容器に入れて調理し、そのまま冷凍・解凍するモデル。ハンバーグと唐揚げをラショナル・ジャパンのスチコン「iCombi Pro」で加熱し、ハンバーグはソースを加えて約9分、唐揚げは約7分で調理した。唐揚げは容器に入れた状態でも裏面までカリッとした揚げ焼きの状態に仕上げ、多段調理による効率的な製造方法を紹介した。
調理後は商品を容器ごと特殊冷凍し、スチコンで解凍。容器に入れたまま調理するだけでなく、冷凍から解凍、提供までを一連の工程として運用することで、必要なタイミングで商品を提供できる可能性を示した。
調理工程の一部を残す「半製品モデル」(実演②)
2つ目は、調理工程の一部をあらかじめ済ませておく「半製品モデル」。かつ煮では、あらかじめ揚げたかつに生の玉ねぎ、出汁、卵を容器にセットし、スチコンで調理。完成後は容器ごと冷凍し、必要時に解凍して提供する流れを実演した。店舗での作業を簡略化し、調理工程の平準化につなげる考え方だ。
調理済み商品を冷凍ストックする「計画生産モデル」(実演③)
3つ目は、調理済み商品を冷凍ストックする「計画生産モデル」。おでん、回鍋肉、さばの味噌煮では、多機能調理器「iVario」を使った大量調理を実演。調理後に容器へ盛り付けて冷凍し、需要に合わせてスチコンで解凍することで、まとめて製造した商品を必要なタイミングで提供する仕組みを提案した。
一方、試食では品質面の課題も明らかになった。参加者からは、かつ煮について「冷凍によって肉が柔らかくなり食べやすいが、味がやや薄く感じられた」、回鍋肉について「キャベツの食感は良いが、野菜から水分が出ることで味が薄く感じられた」といった意見が寄せられた。
検証を重ね、冷凍×スチコンの可能性をさらに広げる
これに対し、デイブレイクのコーポレートシェフ・藤本氏は、出汁の濃度を高めるなど、冷凍・解凍を前提としたレシピ設計に調整することで、さらなる品質向上が可能と説明。同社は「これが完成ではなく、検証を続けることでさらに品質を上げられる」としている。
今回の実演を通じ、容器、スチコン、特殊冷凍を組み合わせ、「調理して、そのまま冷凍し、必要なときに解凍して提供する」という新たな惣菜製造モデルの可能性を示した。人手不足や調理負担、需要変動への対応が課題となる中、製造工程そのものを見直す手法として今後の展開が注目される。
デイブレイクは今後も、冷凍を前提としたレシピや調理条件、スチコンの設定などの検証を重ね、効率性と品質を両立した惣菜製造モデルの構築を進める。今回のセミナーについても、内容をアップデートして継続開催する予定としている。
WEB限定記事