スポーツシューズのノウハウ生かす
スポーツ用品のミズノ(大阪市住之江区)は飲食店の厨房用シューズを4月20日から全国の作業用品専門店やホームセンター、公式オンラインで発売した。
厨房用シューズ「SOFPON(ソフポン)」税込5830円は、ミズノのスポーツシューズのノウハウを活用した、厨房での転倒リスク抑制と立ち姿勢での安定性を追求した、同社初の飲食店向けのワークシューズ。つま先から踵と斜め方面に水や油が流れ出やすくする溝を配置し、滑りにくいアウトソール意匠を採用、油による劣化が起きにくい耐火性ラバー素材を使用する。踵には、複数の独立した突起状のセル構造がたわむことによりクッション性を確保。素材は人工皮革、3Eサイズで22.5から29㎝を用意。質量は約275g(26㎝片方)、色はホワイトとブラックがある。年間4000足の販売を目指す。
ミズノは学生をメインターゲットとしてきたが少子化の影響で、ビジネスやウォーキングシューズにも参入。1997年に企業ユニホームの企画・販売を開始。佐川急便などの採用から16年に本格的にワークビジネス開発へ乗り出した。19年にはワークビジネス事業部を創設。また同年に企業直販部隊の法人営業部をこれまで東西合わせて20数人体制から、全国約90人まで増やして医療・建設・運輸・製造業界に進出。注力事業に発展している。
スーパー・ベルクではつま先に樹脂素材を入れたシューズを採用。結果、バックヤードで台車との接触事故労災が78%減少。霧島酒造やサントリービバレッジソリューションではユニホームが採用され好評を博している。
20年総務省統計局による国勢調査では、日本の飲食店就業者数は約214万人。年々少子化のあおりを受けて人手不足が顕著となっている。現有戦力が安心して長く働けるように企業経営側も安全・快適に働けるシューズやウエア調達には注視している。ワークビジネス事業部の21年度実績は72.5億円で、25年度には170億円の売上を計画している。
WEB限定記事