「天然水」本体はエクイティを強化
サントリー食品インターナショナルは2月25日に都内で、「サントリー天然水ブランド2020年戦略説明会」を開催。ジャパン事業本部ブランド開発事業部五十嵐享子部長が、新たに提案する無糖嗜好飲料カテゴリーについて説明した。
19年の「天然水」ブランドの販売量は大型PET製品の値上げ、冷夏の影響で1億1310万c/s(前年比96%)だったものの、国内飲料ブランドではナンバー1を堅守。「天然水」は飲用し体内に取り込むことで、潜在的に持つ「清冽な空気ごと取り込める」というニーズを満たすと考える。
20年はさらなる伸長を目指し、二つのマーケティングを展開する。一つ目は「天然水」本体のエクイティ(ブランド資産価値)の強化。ミネラルウォーターが育まれた自然、環境を打ち出す。ブランド広告は前年の2倍を計画するほか、新水源「北アルプス」を活用したコミュニケーションも予定する。自然災害が多発する中、賞味期限5年の「南アルプスの天然水 備蓄用」(500mlPET/140円)も2月18日から新発売。2LPETはあったが、災害時に持ち運びが便利な小容量タイプをそろえた。
二つ目は無糖嗜好飲料の強化。近年飲料市場は、健康、働き方の変化、気候の亜熱帯化に伴い無糖飲料がけん引。中でもブラックコーヒー、緑茶などを無糖嗜好飲料(無糖だけど味わいがあっておいしい飲料)とカテゴリーし、天然水ブランドでも取り入れる。
着目したのがレモンフレーバー。レモンはビタミンCやクエン酸といった健康成分の機能性、食事との相性の良さが知られ飲料、RTDでも人気。今回は、飲み応えがある無糖レモンフレーバーとして、3月24日から新商品「天然水 Clearレモン」(540mlPET/131円)、3月10日から「同 スパークリングレモン」をはじめとしたスパークリングシリーズ4品(各500mlPET/100円)をリニューアル発売する。有機レモン果汁を使用し、低温殺菌技術により香りの新鮮さを最大化することで〝搾りたてのレモンのようなおいしさ〟にこだわった。
これまでもフレーバーウォーターはあったが甘みもあり、五十嵐部長は「甘さ離れを背景に定着しなかった」と振り返る。そこで今回飲料、RTDでレモン使った商品を多く扱うサントリーの知見を生かした新商品を開発。食シーンやRTDの代替提案、新メッセンジャーを起用したプロモーションで無糖嗜好飲料の定着を図る考えだ。
また「天然水 澄みわたるお茶」(600mlPET/131円)を2月25日から新発売する。昨年発売した「同 GREENTEA」の味わいを刷新。水出し茶葉を使い、水では物足りないが喉を潤しリフレッシュしたいときの〝水のようにらくに飲めるお茶〟を目指した。本格緑茶ブランド「伊右衛門」とは一線を画し、ライトな味わいを好む新たなお茶ユーザーを取り込む。
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