持続可能な“すし文化”の実現へ
Mizkanは5月27日、ウニの陸上養殖事業を展開する北三陸ファクトリーと、養殖ウニ向け飼料の開発を軸とした共同研究を開始すると発表した。両社は、ウニの陸上養殖の実証実験を進展させることで、「海と人の健康と、すし文化を未来へつないでいく」ことへの貢献を目指す。
共同研究では、①養殖ウニのおいしさの確立②ウニ養殖向け飼料の開発③養殖ウニのブランディング――をテーマに研究・検討を進める。Mizkanが持つ食品加工技術や味づくりのノウハウ、マーケティング力などを活用し、北三陸ファクトリーが推進するウニ陸上養殖の社会実装を後押しする。
背景には、気候変動や磯焼け(藻場の減少)、水産資源の枯渇などによる海洋環境の悪化がある。世界的にすし需要が高まる一方、サーモンやマグロなど特定魚種への依存も課題となっている。人気ネタであるウニは、磯焼けの一因とされる半面、高級食材としてグローバル需要が拡大しており、持続可能な生産体制の構築が求められている。
北三陸ファクトリーは、「北三陸から、世界の海を豊かにする」をミッションに掲げ、ウニの「再生養殖(Regenerative養殖)」に取り組んでいる。磯焼けの原因となる身入りの悪いウニを海から回収し、陸上で高品質に育成することで、藻場再生とウニの高付加価値化の両立を目指す。2026年2月には、岩手県洋野町に大規模陸上養殖場を開設し、実証実験と量産化に取り組んでいる。
一方、Mizkanは2026年に「すしプロジェクト」を立ち上げた。創業以来220年以上にわたり、酢を通じてすし文化に関わってきた知見を生かし、「100年後も誰もが笑顔で『いただきます』と言えるすし文化を育む」ことを掲げる。
北三陸ファクトリーの下苧坪之典社長は、「『Regenerative Sushi』という新たな食のカテゴリーを確立し、海を再生しながら多様性を育む価値を世界へ提案したい」とコメント。Mizkanの槇亮次社長兼CEOも、「地球環境、生産者、食べる人が一体となり、持続可能な一次産業と食文化のモデルをともに実現していく」としている。
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