取引先234社が参加
国分グループ本社は、2024年度国分グループ方針説明会を4月4日にロイヤルパークホテルで開催。取引先メーカー・234社(1社1人)が参加した。
國分勘兵衛代表取締役会長兼CEOの挨拶に続き、2024年度国分グループ方針ビデオを上映。そして、國分晃代表取締役社長執行役員兼COOが経営方針、マーケティング・商品政策について鈴木嘉一取締役常務執行役員マーケティング・商品統括部長兼フードサービス統括部長、低温フレッシュデリカ事業について山崎佳介取締役常務執行役員低温フレッシュデリカ統括部長兼国分フードクリエイト代表取締役社長執行役員からそれぞれ説明が行われた。
國分社長は3期連続で過去最高業績となった2023年度業績(売上高2兆684億円、経常利益242億円)の報告とともに、経常利益252億円を目指す今期は「顧客満足度1位を超えて、さらに超える」を冠方針に掲げ、6つの基本方針を説明した(詳細は本紙3月11日付1面)。
鈴木常務はグループ内の売り上げバランス、物流体制を紹介後、部門別に基本方針を説明。加工食品・菓子部門では、開発商品・留型商品・地域密着といった強化カテゴリーの拡売と、新規ルート開拓による菓子事業の拡大、さらにはヘルスケア・サステナブル、シームレス化・スキマ売場といった重点テーマ戦略について具体例を示した。酷暑対策、インバウンド、物価上昇等の直近の課題にもふれた。
また酒類部門では長計最終年度(2025年)に売上高7千億円(23年度6241億2100万円/前年比104%)を目指す。共創圏企業との取り組みを強化し、外食チャネルの開拓、小売業との深耕に加え、日本酒需要創造会議にも参加。公正取引を遵守し、組合活動と社内啓蒙活動を促進。飲酒ガイドラインへの対応も欠かせない。5月9日開催の酒類総合展示会(東京都立産業貿易センター浜松町館)で様々な取り組みを紹介する予定。
さらに組織体制では、マーケティング・商品統括部下に新設した「事業推進部」(千木良治部長)の役割を紹介した。同部ではルート開拓担当を置き、デジタルマーケティング課、EC事業課、地域共創課を設置し、グループの次の時代の柱となる事業・取り組みを築いていく。
また、メーカーには健康経営支援ビジネスも提案。昨年11月に業務提携したSOULA社と立ち上げた4つのプロジェクトの1つで、ユーザーの健康データや食事データを自社事業に活用できる仕組みを紹介した。
コロナ禍で失速したフードサービスビジネスの再強化も明言。業務用卸パートナーとの取り組みを強化しながら、2025年に共創圏売上高5千億円を構築し、業務用総合力卸ナンバーワンを目指す。
海外では物流拠点として、現地のディストリビューターとのネットワークを生かした中国・アセアン地区が好調に推移。中でも中国でECを運営する卸・上海イーズの機能をアピール。他にも持続可能な物流体制構築に向けた取り組みや、メーカーの人材育成支援プログラムも紹介された。
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低温フレッシュデリカ統括部の23年度売上高は4319億円(前年比109.0%)。構成比は冷食51.2%、チルド36.1%、冷菓12.7%。
24年度の低温基本方針は2月のスーパーマーケット・トレードショーで紹介された「冷凍2.0」。新たな素材・技術・機能を融合した冷凍の価値提案を掲げ、低温の機能を生産者の価値創造や日本のものづくりに生かしていく。今年は中部地区と九州地区に新たな拠点を設け、フロチル機能を拡充し、海外統括部の約60カ国の輸出先とのパイプをつなぐ。生鮮・デリカ事業は、サステナブルデリカによる新たな価値創造に注目。規格外の原料をサステナブル原料として商品化し、デリカ商材に変える。また調達機能では、アイルランド産原料(サバ等)のアクセス優先権を獲得。生産から販売までのサプライチェーンにおける価値向上にも力が入る。
2024年4月15日付