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独自研究の成果発表 ヨーグルト新時代へ/明治

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乳酸菌研究さらに進行

松田社長

明治は10月4日、独自の技術やアイデアなどにより社会課題の解決に貢献するサステナブル&ウェルネス事業「meiji New Action」の第2弾として、「明治が切り拓く〝ヨーグルト新時代〟」と題するヨーグルトの2つの研究成果を発表した。

明治が独自の研究成果として今回発表したのは、「ヨーグルトEPSによる免疫力向上と栄養素吸収促進」および「ヨーグルト乳酸菌による腸管バリア増強作用」について。松田克也社長=写真=は冒頭の事業プレゼンテーションで、ヨーグルトのリーディンクカンパニーとして最新の知見・技術に基づき研究開発を永続的に進めていくとの考えから「明治は〝ヨーグルト新時代〟を切り拓くことを宣言します」と述べ、右手を高々と上げた。

ヨーグルトEPSとは、ヨーグルトの発酵過程で乳酸菌から産み出すねばり成分で、乳酸菌により性質が異なるのが特長。「明治プロビオヨーグルトR―1」の種菌である乳酸菌1073R―1株が産み出すEPSは、人体内でウイルスなどの異物と戦う先天的な「自然免疫」と、特定の異物に対抗する後天的な「獲得免疫」の両方を活性化することが新たに判明した。

さらに同社保有の乳酸菌OLL1251株とOLS3290株のEPSが、緑黄色野菜に含まれるカロテノイド(β―カロテンやリコピンなど)の吸収力を飛躍的に向上させることが分かった。

どちらかの乳酸菌を含有する無脂肪ヨーグルトと緑黄色野菜を一緒に食べることで、生食では10%程度しか吸収されないカロテノイドの吸収率が1.7~6.5倍に。カロテノイドは油に溶けやすく、有脂肪ヨーグルトではさらなる吸収率上昇が見込まれる。

また「明治ブルガリアヨーグルトLB81」に含まれるブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株に、腸管バリアを強化する作用があることが明らかとなった。

腸菅内には食物と一緒に運ばれてきた毒素や細菌が多数存在しているが、細胞同士が接着して形成された腸管壁は毒素を感知すると「タイトジャンクション」という機能により細胞間の隙間を粘膜で引き締め、さらに抗菌物質による増殖抑制作用などで毒素が腸管外に出ないよう防御している。この防御体制が「腸管バリア」で、両乳酸菌はタイトジャンクションが弱体化すると機能修復し腸管バリアを改善する。

今回発表された乳酸菌の効果は、いずれも「ヨーグルトはなぜ体に良いのか」の新たな証拠となるもの。毎日適量を継続摂取することが何よりも重要であるという。

明治では新たに発見した乳酸菌の作用として、同社のヨーグルトがパワーフードであることを「明治プロビオヨーグルトR―1」と「明治ブルガリアヨーグルトLB81」で訴求する。また来春を目途に、ヨーグルトの新商品発売も予定。

松田社長は発表内容が研究成果の一部であることを強調し、新型コロナに関わるヨーグルトの研究成果を近く発表することも明言した。

2022年10月17日付

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