今期経常155億円計画
国分グループ本社は昨年、5カ年の第11次長期経営計画をスタート。食のマーケティングカンパニーを進化させ、「共創圏の確立」をビジョンに掲げた。食に関わるあらゆる事業者および生活者の真のニーズを主体的に捉え、社内外の人々と融合した共創圏を構築・発展させ、食の価値創造ナンバーワン企業を目指す。3月1日に本社で会見(ライブ配信)し初年度の業績を発表した。2009年来、12年ぶりに過去最高益を更新するとともに増収大幅増益での着地となった。
2021年12月期連結業績は、売上高1兆8814億7100万円(前期比101.8%)、営業利益114億6000万円(142.0%)、経常利益139億900万円(136.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益65億6400万円(113.5%)。増収による売上総利益の増加(105.1%)で、販管費および一般管理費の上昇分(102.5%)を吸収。経常利益125億円の目標をクリアした。なお物流費は引き続き上昇傾向にあり、前期比25億円の増加(104.7%)となった。
國分勘兵衛代表取締役会長は、2年連続で厳しい経営環境の中、食のマーケティングカンパニー実現に向けて、「顧客満足度№1」「共創圏の確立」「経常利益におけるコト売り比率の向上」「社員の仕事における幸福度の向上」といった4つの価値創造目標を掲げ、「多くの成果を生むことができた」と総括。
売上高の内訳は、食品1兆2223億6500万円(103.2%)、酒類5737億6400万円(100.0%)、その他853億4100万円(95.6%)。また食品部門の内訳は、加工食品が7484億6300万円(100.2%)、冷凍・チルド4294億3900万円(108.7%)、菓子444億6100万円(102.9%)。なお冷凍食品は15%増の約2250億円、チルドは1%増の1730億円、冷菓は13%増の300億円だった。
酒類では、ビールが1445億2600万円(102.8%)、ビアテイスト1215億8700万円(96.0%)、その他酒類では、リキュール・スピリッツ他が5.7%増と好調。ウイスキー類も0.6%増ながら、清酒、焼酎、ワイン類が前年を下回り、合計3076億5100万円(100.4%)。
業態別では、全体の4割弱を構成するSMが7187億8300万円(101.5%)と好調に推移。この他直販比率の高い業態では、CVSが1776億3700万円(100.8%)、GMS1634億700万円(122.8%)、ドラッグストア1509億8900万円(97.8%)。急成長が続くEC/宅配分野は782億8100万円(112.9%)。やや回復を見せた外食ユーザーは737億4600万円(102.1%)。一般・業務用酒販店、百貨店は引き続き厳しい状況。なお、卸売は3167億7100万円(101.0%)だった。
エリア・カテゴリーカンパニー別では、国分フードクリエイトの低温事業を7月に各エリアカンパニーに、中部地区の低温事業を国分中部に移管した影響が各社の業績に大きな変化をもたらしている。
第11次長計2年目となる今期も、各エリアでの共創圏パートナーとの取り組みを進め従来型卸からの脱却、モノ売りとコト売りの2輪体制確立を目指す。また、今年は5年に一度の「酒類の公正な取引に関する基準」改定を控える。価格改定や酒類の公正取引基準改定に対処していくとともに、共創圏パートナーとも連携し〝新しい流通様式〟を創出。経常利益155億円の目標達成を目指していく。なお売上高に関しては収益認識基準に対応し、前期ベースで約450億円の減少を見込んでいる。
2022年3月7日付