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卸のWEB展示会 新時代の幕開け

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欠点より多くのメリット

日本アクセス

大手卸業が、西日本エリアを中心としたWEB展示会を開催している。リアル展示会の開催が難しい中、試食をはじめ五感で商品確認ができないWEB展示会には、否定的な声も。ただ、多くのビジネス現場でリモート活用が進む中、新たな時代へ向かう第一段階とみる向きもある。

日本アクセス西日本営業部は7月20日~10月20日まで「Web Convention 2020」を開催中だ。

出展企業は400社強、品目数は6700(新商品約1400)をそろえ、約2400人の顧客に案内してスタート。展開期間が長期にわたるため、9月からは九州エリアも参加して沖縄物産展を導入したほか、生鮮・デリカ年末年始商材などの新コーナーも取り入れ、コンテンツの充実を図っている。

当初、顧客からはスタートの遅れや全てのコンテンツを見るには膨大な時間を要すること、五感で確認もできず展示会ならではの新発見が難しいなど、否定的な声が上がったが、その印象は変わってきている。

まず、今後を見据えた各種提案はウイズコロナ、ニューライフの中では幾つあっても良い。さらに時間・場所を選ばず商品確認ができて、クリック一つで見積もりやサンプル依頼が可能。WEBならではの欠点もあるが、メリットも多いことが分かってきた。

端末開けば営業ツール

国分

また国分西日本は、国分フードクリエイトと共同で9月1日から3カ月間、「国分グループ西日本エリア WEB提案会」を展開。

「新しい需要へ」と「時代をのりきる」の視点から25企画を提案。出展社数は、加食73、低温24、酒類27の144ブース。顧客には1300のIDを発行し、参加を呼び掛けている。

プラットフォームの完成に時間を要し、9月からの展開となったが、顧客には提案だけでも届けたい思いで開催に踏み切った。また、全国NBほどの販路を持たない地域メーカーの商品紹介など卸業本来の役割を担う。

両社に共通していえるのが、こうしたWEB展示会が、卸業セールスの営業ツールとして活躍していることだ。訪問営業し、カタログを開くのと同様に端末を開けば、そこには提案と商品が網羅されている。顧客それぞれに合ったポイントを説明し、あとはじっくり見てもらえば良い。

コロナ終息の時を迎えても、こうした営業スタイルは続くとする見方もある。メーカーの営業にしても、セールスの営業に開発や企画担当者がリモートで参加するスタイルが既に行われている。

製・配・販それぞれの立場で、WEB展示会に対する戸惑いがあるとすれば、それはずっと先の未来に行われると思っていたことが、急に目の前にやってきたことに対してなのかもしれない。

なお、大手卸業や小売業が関西での大型イベントの会場に利用するインテックス大阪は、大阪市と連携し施設基本利用料を半額にする方針を示している(来年3月末までに行われるイベントが対象)。従来と同額の利用料なら、倍のスペースが確保できるため、十分なディスタンス確保が可能となる。

リアル展示会の在り方も、次の時代に向け踏み出している。その上でリアルとWEBの融合が進めば、これまでお祭り的なニュアンスのあった展示会は、より実質的な商談会となりえるだろう。

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