好調家庭用さらに強化
にんべんは秋冬の家庭用新製品7品(リニューアル1品)を9月1日から発売する。7月3日に専門紙向けオンライン説明会を開き、2月に第13代を襲名した髙津伊兵衛社長が2020年3月期業績および第1四半期概況を説明した。
前期売上高は主力の家庭用(構成比82%)が前期比1.9%増、業務用(5.3%)も2.4%増と堅調も、百貨店や店舗の直販(12.7%)が新型コロナの影響もあり1.1%減と低調でトータル1.4%増。カテゴリー別では、つゆの素類(67.5%)が3.2%増と好調。削り節(32.5%)も0.3%増と前年水準を維持した。
今期第1四半期は業務用、百貨店、海外が新型コロナの影響で前年を下回るも、家庭用が10.0%増と好調で、トータル0.6%増。家庭用は4月こそ3月の反動で4.3%増にとどまったが、5月14.0%増、6月12.7%増の2桁伸長が続く。カテゴリー別ではフレッシュパック(約8%増)など削り節が7.9%増、つゆの素類が11.9%増と大幅な伸びを見せた。一方、家庭用事業部の管轄となる首都圏以外の百貨店も苦戦を強いられた。
また、髙津社長は5月にPHP研究所から発刊された「創業320年の鰹節専門店『だし』再発見のブランド戦略」の印税について、地元・日本橋界隈の飲食店や中央区の福祉施設へ寄付する考えを示した。
今秋の家庭用新製品イチオシは、同社初のストレートタイプ鍋つゆ「だし鍋つゆ 寄せ鍋醤油味」。750g(3~4人前)、350円。強みである〝だし〟を力強く訴求する。国内製造かつお節と鶏ガラだしに、濃口しょうゆとたまりしょうゆをバランスよく合わせた。化学調味料・着色料・保存料不使用で仕上げた。パッケージ裏面では同社の歴史とかつお節へのこだわりを訴求。〆はだしおじやを提案する。
素材の味わいを生かす化学調味料不使用の小分けタイプ鍋用調味料「だしが世界を旨くする」シリーズ(1人前×4袋入り)に、「うまみ塩 鍋スープ」を追加。既存の「こくみ醤油 鍋スープ」「まろみ味噌 鍋スープ」はパッケージを刷新する。新製品は国内製造かつお節や焼あご、サバ節など7種の魚介のうま味を引き立たせるうまみ塩味。120ml、350円。パッケージ裏面では海鮮あんかけ焼きそばやペペロンチーノ、煮物などのアレンジレシピを提案。
にんべんアンバサダーの速水もこみち氏との共同開発商品。食材1品でワンランク上の料理に仕上げるメニュー専用調味料「だしとスパイスの魔法」シリーズに「白身魚のレモンソテー」(2~3人前)を追加。白身魚をフライパンで簡単調理(約9分)。国内製造かつお節と専用スパイスで仕上げる。爽やかなレモンと白ワインのマリアージュが楽しめる。化学調味料・保存料・着色料不使用。78g(調味液74g+スパイス4g)、250円。テレビCMも予定。
その他、「だしで食べるおでんつゆ 58g+3g」はシーズンインで一新。130円。濃厚なおでんつゆのかつお節粉末と、かつお節と昆布の香りだしパックをセット。国内製造のかつお節と北海道産昆布を使用。保存料・着色料不使用。
「フレッシュパック」シリーズには、こだわりの本枯鰹節1.5g使い切りサイズ「本枯鰹節フレッシュパックプレミアム使い切りサイズ」を新発売。15g(10袋入り)、320円。カビ付けと天日干しを4回以上繰り返し、熟練の技と伝統製法で仕上げ、すっきりとした上品でまろやかな味わいと香りが特長。
ふりかけでは健康価値を付加したソフトタイプ「ビフィズス菌入りおかかふりかけ30g」を新発売。130円。国内製造のかつお節を風味豊かに炊き上げ、ごまと合わせた。1袋にビフィズス菌10億個入り。化学調味料・保存料・着色料不使用。子どもも食べやすい甘めの味わいに仕立てた。パッケージ裏面ではアレンジレシピを訴求する。
アレルギー配慮商品の取り扱い棚や通販などで好評、小麦・大豆不使用の食物アレルギー対応調味料「四穀」シリーズに、家庭用初のドレッシング「四穀ドレッシングタイプごま風味200ml」を発売。320円。ゴマ、あわ、ひえ、きびを使用し、化学調味料・保存料・着色料不使用。雑穀のうま味とかつお節だしでマイルドかつクリーミーな味わいに仕上げた。
そのほか直販では、同社最高峰のつゆの素「伊勢屋伊兵衛つゆの素」(3倍濃縮)を新発売。6月から日本橋本店で先行販売している。200ml、1000円。通販では「四穀シリーズ3本セット」(つゆ300ml、白だし・ぽん酢各200ml)を6月23日から発売。1000円。無添加だしパック2袋付き。
2020年7月20日付