最大消費地で心の絆築く
オタフクソースは6月8~9日、マイドームおおさか(大阪市中央区)で「活力フェア2022」を開催。お好み焼店を中心とした飲食店・約1200人が来場し、試食を交えて多様な提案を披露した。
5月に開催した東京会場(既報)に続くもので「トレンドメニュー」「食品ロス対策」「インバウンド対応「人気メニュー」「新商品コーナー」の共通企画に加え、大阪会場は〝Connect to the future〟をテーマにオリジナル企画を用意。関西の食文化を未来へつなげるべく、お好み焼・モダン焼、ご当地食材・食文化を活用したメニューを紹介した。本来は業務用各チャネルへの提案活動だが、今回に限ってはコロナ禍で最も苦境にある飲食店に対象を絞り込んだ。
「関西 食の小路」では「九条ネギベーゼ焼そば」など、地元産品を使ったメニューに注目。また関西の食文化ともいえるモダン焼は、人気メニューながら調査データが少ないため、歴史や使用される麺の種類、具材などを独自調査。顧客と情報を共有し、今後のモダン焼の未来を模索する。
また、お好み焼き作りや飲食店サポートに関連する団体・企業も参加。日本コナモン協会、農産品の東果大阪、射手矢農園、削り節の浜弥鰹節、製麺のモリヨシ、包装資材などのシモジマ、PayPay、USEN、キッチンカーのA.R.CUSTOMSほか、オタフクグループのお好みフーズ、ナカガワも出展し、飲食店へのトータル支援を行った。
創業100周年を迎え、佐々木孝富社長は「支えてくれた顧客には感謝しかない。厳しい環境の中、出展企業も笑顔になる満足できるフェアにしたい」と思いを語った。かつて関西進出の際には、受け入れられるか不安はあったが、当地の飲食店のために最大限の提案を実行。その結果、メニュー以外に「心でつながる交流を築きつつある。お好み焼の最大消費地で意義ある」と話した。
現在は関西・大阪万博を見据え、海外に向けたメニューも考案中で、来年以降の具現化を見込む。関西支店の飲食店向け販売は、5月以降が前年比120%とコロナ禍以降、初めて前年を上回った。全社的には10~5月が98%と家庭用が微減だが、業務用の回復が顕著。中でもお好み焼店の回復が最も大きい。家庭用、業務用の伸び率逆転に一喜一憂せず、将来の展望を見据える。
また、世界のメニューを国内に取り込む一方、鉄板焼き・コナモン文化を海外に発信する。そのためにも生産体制の再整備を進めていく。佐々木社長は「自由な商売が難しい状況だが、日本食に対しては世界が期待している」と強調した。
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