来年商品化へ スマイルフード決勝大会
食の未来を担う青少年の健全な育成と地域社会への貢献を目的とする、東洋水産主催「スマイル“フード”プロジェクトin東北2021」決勝大会が11月20日、仙台国際ホテルで開催された。
このコンテストは東北地区の高校生を対象に、フリーズドライスープを想定したオリジナルメニューのアイデアを競う。優勝作品は翌年に「マルちゃん」ブランドで商品化が予定される。2015年の第1回開催から今年で7回目。昨年から東北地区6県の教育委員会より後援を受けたことで、今年も過去最多となる56校246チーム(3人1チーム)から応募が集まった。さらに今年は優勝、準優勝に加え、4つの特別賞を設けた。
決勝大会には書類審査を経た各県代表6チームが出場。持ち時間10分のプレゼンテーションと、ホテルで調理されたスープ、フリーズドライ加工品の各項目で審査が行われた。審査には東洋水産の真喜屋理恵子常務取締役を審査委員長に、同社関係者6人が審査員として参加した。
優勝作品は5年連続出場となる宮城県代表、宮城農業高等学校のチーム、農業経営者クラブが考えた「米どころ宮城 冬の森べっぴんスープ」。同校は18年以来2回目の優勝。仙台白菜と米から作る甘酒の優しい甘さに、八角の香り、レモン果汁をアクセントにした濃厚な味わい。柚庵焼きのしらすと食べることで、香り豊かな柚子の香りとスープの甘さも楽しめる独創性の高い一杯に仕上げた。来年秋の商品化を予定。
また準優勝には16年の優勝校、4回目の出場となった秋田県代表の秋田県立金足農業高等学校(チーム名:I♡米チーム)考案「秋田っ子のきりたんぽ風味スープ」が選ばれた。優勝と準優勝チームには賞状とトロフィーに加え、Amazonギフト券1万円分がメンバー全員に贈られた。
その他の各賞は次の通り。▽プレゼンテーション賞=福島県代表・福島県立あさか開成高等学校(出場2回目)チームCRT「I LOVE ふくしま♡ キャベツもちスープ」。▽調理技術賞=岩手県代表・岩手県立遠野緑峰高等学校(出場3回目)チームスリー「炭焼きヤマメのワサビきくらげスープ」。▽地域貢献賞=山形県代表・山形県立庄内農業高等学校(出場4回目)めっこいあねちゃ「んめちゃの~。おらだのだだちゃスープ」。▽業界紙記者賞=青森県代表・青森県立木造高等学校(初出場)K3クラブ「青森きくらげたっぷり 煮干しマシマシもち麦スープ」。それぞれ賞状と副賞が贈られた。
全体講評した東洋水産社外取締役の峯木眞知子東京家政大学教授は、優勝・準優勝のアイデアだけでなくプレゼンテーションを高く評価するとともに、各チームへの評価ポイントを述べた。
優勝した農業経営者クラブのメンバー(下写真右から)は2年生の小田島鈴さん、目黒花織さん、1年生の河東田彩華さん。目黒さんは大会直前に指を骨折するアクシデントもあったが、当日は元気な笑顔で感謝の言葉を語った。彼女らは「先輩たちの分まで、昨年のリベンジに燃えていた」と振り返った。2年生の2人は昨年も参加しており、その課題を検証ししっかりと改善してきた。会場全体が引き込まれたプレゼンテーションが印象的だった。
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