今年は〝コンシェルジュ販促〟導入
ニッポンハムグループが昨年から開始したリモート販促。今年も6月から髙島屋のギフトセンターで、より進化した提案を行っている。
リモート販促は、百貨店のギフトセンターなどに端末を設置し、日本ハムカスタマーコミュニケーション(NHCC)社のデモンストレーターが、来店客と店頭の端末を通じて双方向で対話しながら調理実演などを行う。従来、店頭で試食を通じ来店客とコミュニケーションを図りながら、消費者の生の声をマーケティングや商品開発に生かしている。
コロナ禍では、従来通りの店頭販促が難しくなったが、デモンストレーターという貴重な人材の新しい活躍の場として、リモート販促を実現。昨年は1日3回などの時間を決め、対応時間内で来店客との対話を図ってきた。今年は店頭の呼び出しボタンを押せば、いつでも問い合わせに応じる「コンシェルジュ販促」を導入し、ユーザーニーズに応えている。
こうしたよりきめ細かなサービスを実現するべく、東京に専用スタジオ3部屋を設置。リモート販促は1企業当たりスタジオ2人、店舗1人の3人体制で対応している。今後は店頭に人を配置しなくても、全て遠隔で行えるようリモート技術に磨きをかける。
NHCC社はこうしたデジタルリモートプロモーション(DRP)を、ビジネスモデルの変革と位置づけ、より進化させていく方針だ。スーパー店頭などに設置する自社開発のデジタルサイネージ(8~10インチ)は、遠隔操作で放映する内容を自由に変えられる。設置店舗ごとのニーズに合わせ、それぞれ異なる動画放映も可能。またSDカードの入れ替えなどの店舗作業も不要だ。現状は人を集める店頭イベントは積極展開しづらいが、状況を見ながらライブ料理教室などの実現も視野に入れる。
一方、これまでリアルで行ってきた手作りウインナー教室やウインナーの飾り切りなどの実演と、タンパク質や食物アレルギーなどをテーマとした食育セミナーの連動企画もある。逆境をバネに始まったチャレンジに注目が集まる。
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