新たな海苔の価値啓発へ
大森屋は4月15日、同社初の飲食事業として、京都・寺町の商店街におむすび専門店「のり結び 京都寺町店」をオープンする。テークアウトを中心に、2階席にはイートインスペースも設置した。
創業95年を迎え、新たな海苔の価値啓発策を、5年ほど前から模索していた。そこで海苔を最もおいしく食べることができ、さらに家族で楽しめるとしておむすび専門店を選択。同社と縁が深く、世界的にも有数の観光地である京都への出店を決めた。
一番の特長は別添の海苔を選べること。ギフトクラスの最上級の海苔(手巻き寿司に使う2切サイズ)として、柔らかくうま味が強い「月」(有明海産焼き海苔)、色つや・香りが良くしっかりとした質感の「風」(瀬戸内海産焼き海苔)、北海道産の真昆布だしと宮崎県産醤油の合わせ技「汐(しお)」(有明海産味付け海苔)の3種を用意。おむすびの具材に合わせて使い分け、好みの味わいに仕上げることができる。
コメは京都府丹波産コシヒカリ100%。塩は海水と海藻のうま味が凝縮された淡路島の藻塩を採用。また弁当やおばんざいもラインアップしており、こうしたメニュー開発は、同社が誇る一級惣菜管理士でごはんソムリエの河野孝巳氏が考案している。
おむすびは「のり結び」5種(140~250円)、「ごちそう結び」5種(300円)、「四季結び」2種(同※季節メニュー)の全12種類。「のり屋の海苔べんとう」(800円、だし巻き・から揚げ・コロッケ・おばんざい3種)やおばんざい6種(130~330円)もそろえるほか、「海苔くらべセット」(松980円/竹860円/梅650円)などのセットメニューも提案。新しい日本文化を発信する「SOU・SOU」や「京都ぎょくろのごえん茶」など地元企業の商品販売も行う。
また、オープンを記念して、先着20人(各日)に記念品をプレゼント。4月15~17日はヒット商品の「バリバリ職人」、22~24日は「SOU・SOU おむすび巾着」(次回以降、持参すれば20円割引)、29~5月1日は「ごえん茶 chayori」をそろえた。さらに4月15日~5月8日の期間中、Instagram投稿(「#のり結び」で写真の投稿)すれば、有明海産の一番摘み海苔「焼きたて工場直送便」が当たる。
インバウンド景気はしばらく見込めないものの、京都は国内観光客が増加傾向にある。まずは地元客の認知向上に向け、1日当たりの販売個数600個、客数200人を想定。物販を加え年間5500万円程度の売り上げを目指す。
WEB限定記事