食物販にとどまらない、新しい需要への挑戦始まる
阪急うめだ本店は3月31日、「コミューナルフードマーケット」を同店地下2階にオープン(売り場概要は既報)。単なる食物販にとどまらない、新しい需要を模索する挑戦が始まった。
同店では2019年から月に1度(5日間)、生産者と来店客をつなぐ食イベント「プラットファームマーケット」を開催。今後は常設売り場としての展開も視野に入れる。この「プラットファーム」のコンセプトを引き継ぎ、さらに進化させたのが「コミューナル」で、モノづくりの価値に共感する顧客とともに、次世代を見据えた商品作りに取り組む。
このため、物販以上に来店客との対話が重要となり、その対話を促進するべく売り場中央にはコミューナルテーブルを設置。通常はイートインとして利用するが、4月からは週に1回、各テナントが交代でセミナーなどを開催する。セミナーでは産地と来店客をリモートでつなぎ、素材の説明を行う予定もある。また、店舗スタッフが顧客の商品に対する感想や要望を聞く場所としても利用し、対話から得た情報を、今後の商品開発につなげる。
売り場の7店舗には、屋号のほかに乳製品の店舗なら「乳」「酪」などの看板を掲げ、店舗コンセプトを分かりやすくした。また4店舗は厨房を備え、一部商品でその日作った出来立てを展開。従来のデパ地下売り場は「菓子」「生鮮」など、カテゴリーごとに店舗を集積していたが、今回のように多様なカテゴリーの店舗が一堂に集まることも実験的。このほかデパ地下テナントといえば、ギフト中心のイメージがあるが、同フロアでは中元や歳暮の展開は控え、手土産などを提案。また、自家需要が6~7割と見込む。
なお、うめだ本店全体の直近客数は19年度比の8割程度で、食品売り上げも90%台にまで回復している。
【4月のセミナースケジュール】7日=Doré(ピーナッツ加工品)「なぜ千葉県産が有名なの?」▽14日=京らく製あん所(小豆加工品)「おいしい〝あん〟の炊き方セミナー」▽21日=Doré「ピーナッツの栽培方法」▽23日=FLAVEDO(コンフィチュールなど)「月読み農法ってご存じですか?」▽28日=京らく製あん所「広がる〝あん〟の楽しみ方」
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