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日本におけるウナギ流通の現状を内外の専門家が考察/GR Japan

投稿日:2019年11月6日

国会議員を対象にセミナー開催

講演した有識者3人

持続可能な漁業の実現による日本漁業の活性化を目指し、水産政策の改善を推進するGR Japan(東京都千代田区、ヤコブ・エドバーグ代表取締役社長)は11月5日、国会議員を対象にしたセミナー「日本市場におけるウナギ流通の透明化に向けて~国内外知見から考察する課題と対策〜」を衆議院第2議員会館で開催した。

養殖用の天然ウナギの稚魚(シラスウナギ)やウナギの成魚の採捕量は近年激減しており、今年のシラスウナギ漁期は国内過去最低漁獲量となる3.6tを記録し、ピーク時の約64分の1となった。ニホンウナギは国際自然保護連合(IUCN)が2014年に「絶滅する危険性が高い絶滅危惧種」として指定したが、現在も個体数減少が懸念されており、日本の魚食文化の代表的な魚であるウナギが食卓から消える可能性があるという。

海部健三中央大学法学部准教授はニホンウナギの流通について、国内・海外輸入由来の両方で違法・無報告・無規制漁業、いわゆるIUU漁業に起因するものが含まれていると指摘。資源量の回復および持続可能なウナギの消費を促進するためには、違法なウナギを市場から排除する流通の透明化対策が急務であり、シラスウナギのIUU抑制の方策として、罰則や電子報告、漁獲証明などトレーサビリティの強化、東南アジア全域および都道府県をまたいだ捕獲・流通の管理と調整、行政間の協力などを提言した。

EUのウナギ規制について、ロンドン動物学会のマシュー・ゴロック博士は、EUにはトレーサビリティの義務があるが、統一されたシステムが存在しない。また、ウナギの分布地域はEU境界を越えるため、違法採捕や違法取引の懸念があるとした上で、トレーサビリティには国家レベルまたはEU全体の制度調和と整合性を図ることが必要だと説いた。

国連食糧農業機関(FAO)漁業シニアコンサルタントのフランシスコ・バラハ氏は、「IUU漁業」由来の魚の市場アクセスを制限する漁獲証明制度(CDS)の仕組みを紹介。実効性のあるCDSであれば、由来が不明な魚がサプライチェーンに紛れ込んだ場合に検出が可能なことから、ロンダリング防止につながる。一方で、CDSがその機能を果たすためには、データの多様なアクセス・レベルを備えた強靭なデータベースや税関・水産庁の関与などを挙げた。また、全てのバリューチェーン関係者に対象を拡大するには期間が必要だが、単一魚種で制度が機能すれば、他魚種への制度拡大が期待できるとした。

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