THE FOOD WEEKLY

食の挑戦 乳製品

国民参加型の酪農支援/農水省~食の挑戦④~

投稿日:2023年1月1日

「牛乳でスマイルプロジェクト」

農林水産省
畜産局牛乳乳製品課
三原 亙氏

牛乳・乳製品の消費拡大を促進するため、農林水産省と一般社団法人Jミルクが昨年6月に立ち上げた「牛乳でスマイルプロジェクト」。参加メンバーによりイベントやキャンペーン開催、限定商品発売、メニュー提案など様々な取り組みが行われているが、これまでの政府主導の施策とは異なる点も多く、プロジェクトへの期待や目算などについて、農林水産省畜産局牛乳製品課の三原課長補佐に話を聞いた。

2014年のバター不足を契機として生乳増産の機運が高まる中、20年1月に突如国内で発生した新型コロナウイルス感染症。拡大防止のため在宅での勤務や学習を余儀なくされ、食を含めた生活習慣が大きく変転した。食品業界では外食用を中食・内食に転用させるなどして供給バランスを図ってきた。
しかし、日々の搾乳により生産される生乳は短期間での生産量調整が困難であり、需給緩和が生じたことで処理不可能乳の発生が危惧された。特に需給バランスに大きく影響するのが学校給食用の牛乳で、業務用よりも多く飲用牛乳全体の約1割を占める。そのため登校授業や給食が復活した現在も、冬休みや春休み・ゴールデンウイークなど生産量が増え消費量が減る需給緩和シーズンには、処理不可能乳の発生が今も心配されている。

農林水産省は2020年4月、感染症が拡大し飲食店の休業や休校・休園が相次いだことで牛乳・乳製品の消費が減少したことから、酪農家を支えるため「プラスワンプロジェクト」を緊急スタート。牛乳やヨーグルトを普段より1本多く消費することを推進するもので、これらにより生乳廃棄は回避された。
「プラスワンプロジェクトを全面刷新して大幅にアップデートしたのが『牛乳でスマイルプロジェクト』で、全国民参加型の活動となることを目指しています」

一番の違いは対象者。プラスワンは消費者への協力要請が前面となっていたが、牛乳でスマイルでは企業・団体・教育機関・自治体・個人など幅広いのが特長。メンバー登録することでプロジェクト名称や共通ロゴマーク(商標登録6628760)を使用することができ、商品販売や販促事業など、消費拡大に向けた取り組みであれば活動内容に制限はない。
「ロゴマークには、牛乳・乳製品を食事に取り入れることで笑顔になって欲しい、というメッセージが込められています。同じロゴマークを掲げることで身近な社会課題に取り組んでいるという共通認識が生まれ、一体感や連帯感が増すという効果もあると思います」

登録メンバーは現在241者。乳業メーカーをはじめ、様々な分野の食品メーカーや小売店・飲食店・学校・ユーチューバーなど多種多様。
「12月中旬以降に新たな企画が多数スタートし、活動はさらに活発化しています。メンバーからの情報発信やメンバー同士による共同企画などにより、消費拡大の輪をぜひ広げていただきたい」
現時点において同プロジェクトに期限はなく、参加メンバーも随時受け付けている。
「牛乳でスマイルプロジェクトには、実はもう一つ大きな役割というか、実現目標があります。それは牛乳・乳製品が優れた栄養の食品であることと、酪農が地域の資源循環に貢献していることを伝え広めることです」

意外と知られていないが、野菜や果物の皮・芯・粕などの食品残渣が牛の飼料に使用されている。
「つまり、人が食べられない資源から食料を生産しているということ。食育などの出前授業やセミナーで紹介してくださることを期待しています」

2023年1月1日付

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