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たこ焼き屋が映す大阪④ ~天満編~

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大阪の庶民文化が色濃く息づく街 「うまい屋」「寛子」「ポン太」

大阪市内のたこ焼き屋を追う企画の第4弾。今回訪れたのは大阪市北区・天満エリアだ。大阪駅からわずか1駅の天満は、全長が2.6㎞あり日本最長級の天神橋筋商店街と大阪屈指の飲み屋街を擁する、大阪の庶民文化が色濃く息づく街だ。細い路地には立ち飲み店や大衆食堂が軒を連ね、地元客でにぎわう。観光地化が進む大阪市内にあって、昔ながらの人情や食文化が残る地域として知られ、お好み焼きやたこ焼きなど粉モン文化も根付く。梅田に隣接しながら独自の活気を放つこの街で、今回もまた個性あふれるたこ焼き屋を追った。

●おいでやす通りの名物行列店「うまい屋」
天神橋筋商店街と交差する天五中崎通商店街、通称〝おいでやす通り〟を歩くと、ひときわ目を引く歴史を感じる看板と、その前にできた行列が目に入る。それが昭和28年(1953年)創業の老舗たこ焼き店「うまい屋」だ。70年以上にわたり地元客や観光客を魅了し続け、「ミシュランガイド京都・大阪2018」のビブグルマンにも選出。さらに日清製粉ウェルナからは同店監修の「日清 大阪うまい屋監修 たこ焼粉」も発売されるなど、その名は全国に知られている。まさに大阪を代表するたこ焼き店の一つといえるだろう。

店先では大将が15個焼きの銅板10枚を巧みに操り、次々とたこ焼きを焼き上げていく。8~40個までのたこ焼きのメニュー表があり、今回、注文したのは8個入り(560円)。イートイン、テイクアウト可。卓上にソースが設置されており、好みでかけて食べるスタイルだが、まず始めはボウズで(何もかけずに)頬張ってもらいたい。

まずはボウズで

一口食べると、感じるのはしっかりと効いた出汁の旨み。生地そのものにしっかりと味が付き、出汁の旨みだけで十分成立している。アクセントには紅しょうが。外はカリッと香ばしく、中は驚くほどもっちりとしている。タコの存在感も十分だ。同店ではたこ焼きをつまようじではなくフォークで食べるのが定番。余計なものを足さず、たこ焼きそのものの力で勝負する、小さな球体に詰まった大阪の美学を、ぜひ体感していただきたい。

●たこ焼きと会話で完成する「寛子」
JR天満駅からほど近く、天神橋筋商店街の細い路地裏を入ると現れるのが「寛子」。決して大きな店ではないが、店先には常に人が集まり、行列ができることもしばしばだ。

この日、店を切り盛りするのはお母さんとお姉さんの二人。威勢のいい声が飛び交い、初めて訪れても自然と会話に引き込まれる。注文したたこ焼きは10個入り(300円)。焼きたてのたこ焼きに「(ソース)全がけしてええ?」とお客さんに声を掛け、ソースをたっぷりとかけるやり取りも小気味がいい。待っている客にはお茶を差し出し、お釣りを返す際には「2億5千万円のお返しね」と冗談を飛ばし、その大阪らしいコテコテのやり取りに、思わず笑顔がこぼれる。そんな人情味も、この店の名物だ。

たこ焼きはアツアツのトロトロ

出来上がったたこ焼きはアツアツのトロトロ。口の中を火傷しそうになりながら頬張るのもまた醍醐味だ。黄色みを帯びた生地は出汁の風味が豊かで、口の中でふわりとほどけていく。

テイクアウトもできるが、ぜひ体験してほしいのが店先での立ち食い。店主、常連客との会話が自然と始まり、気が付けば路地裏の井戸端会議に参加している。たこ焼きの味はもちろんだが、ここのたこ焼きは人とのコミュニケーションも含めて完成する、まさに下町大阪らしい一軒である。

●芸人魂が息づく「たこ焼き ポン太」
天神橋筋商店街に店を構える「たこ焼き ポン太」は、吉本興業所属のピン芸人であり、野菜ソムリエとしても知られる土肥ポン太氏が手掛けるたこ焼き店だ。青果店経営など実業家としても活躍する同氏が、「大阪名物をもっと気軽に楽しんでほしい」との思いからオープン。店内の壁には訪れた芸人たちのサインが並び、芸人文化の息吹を感じさせる。

店先では田所治彦(ハル)店長が軽快なトークと明るい接客。さすが芸人ゆかりの店といったところで、たこ焼きを待つ時間さえ楽しい。開店から1年ながら、外国人観光客も口コミで訪れる人気店となっている。

おすすめは「旨塩マヨ」

たこ焼きは出汁の効いたフワトロ生地が特長。王道のソース味も人気だが、おすすめは「旨塩マヨ」。塩のキレとマヨネーズのコクが絶妙に調和し、生地の旨みをより引き立てる。口コミでも「出汁がうまい」「味のバリエーションが楽しい」との声が多く、九条ねぎやカイワレなど個性的なトッピングも支持を集めている。

芸人文化と大阪の粉モン文化。その二つが自然に交差するのがこの店の面白さだ。ハル店長との軽妙なやり取りも含めて一つのエンターテインメント。観光客も地元客も、気軽に笑顔になれる。そんな大阪らしい魅力を持った一軒といえるだろう。

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