健康・食文化・売場提案の3方向から活用価値を発信

右から加藤氏、前原氏、石原氏
酢酸菌の価値を発信する「酢酸菌ライフ」は6月23日、メディア向けセミナー「なぜ、夏はさっぱりが食べたくなる? 酷暑時代を乗り切る、お酢の新常識」を東京都内で開催した。医師、研究者、酢メーカーの担当者らが登壇し、猛暑・酷暑が常態化する中での健康管理や、お酢の新たな活用法について解説した。
冒頭、イシハラクリニック副院長の石原新菜氏は、今年の夏は太平洋高気圧とチベット高気圧が重なる「ダブル高気圧」の影響により、最高気温40度超の「酷暑日」が発生する可能性があると指摘。「酷暑はもはや異常気象ではなく日常になりつつある」と述べた。

夏本番前!酷暑時代の体づくりを話す
石原新菜先生
同氏は、暑熱環境によって体内の免疫抗体であるS-IgAが低下することや、全身の免疫細胞の約7割が集まる腸の状態が免疫機能に大きく関わることを紹介。「夏バテだけでなく、免疫機能の低下による“免疫バテ”への対策も重要になる」と説明した。
その対策の一つとして注目したのが酢酸菌を含む「にごり酢」だ。石原氏は、酢酸菌が免疫抗体の増加や腸内の免疫細胞活性化に関与する可能性に触れながら、納豆やジュース、みそ汁などへの活用法を紹介した。
前橋氏は、酸味は本来、腐敗や未熟を知らせる危険信号として認識される味覚である一方、疲労時や暑熱時には心地よく感じられることを紹介。「暑い時期に酸っぱいものが食べたくなるのは、体が回復を求めているサインともいえる」と説明した。
また、「夏は酢の物」という食習慣が江戸時代から続いていることにも触れ、お酢が日本人の健康維持を支えてきた伝統的な食品であると強調した。
一方で、家庭における食酢消費量は減少傾向にある。総務省「家計調査」によると、1世帯当たりの食酢購入量は2004年の3285mlをピークに減少し、2024年には1350mlと半分以下となった。支出額も1666円から723円へ縮小している。

食文化からひも解く酸味の役割を説明した
前橋健二先生
さらに酢酸菌ライフが実施した調査では、20代のお酢保有率は76.5%と60代の93.5%を大きく下回り、若年層を中心に「お酢離れ」が進んでいる実態も明らかになった。
その背景として、「酸っぱくなりすぎる」「入れる量が分からない」「使い切れずに余らせてしまう」といった使用時の悩みが挙げられた。お酢好き層でも約6割が使い方に困った経験があるという。
加藤氏は、トマトのように甘味や旨味を持つ食材は酸味との相性が良く、お酢を加えることでおいしさが引き立つと説明。また、お酢は加熱時に加えることで味や香りをまとめ、料理全体のバランスを整える効果が期待できるとした。後味をさっぱり仕上げたい場合は仕上げに加える方法も有効だという。
加藤氏はさらに、ろ過前のお酢である「にごり酢」に着目。酢酸菌を含むにごり酢には約200種類の香味成分が存在し、酸味をまろやかにするとともに、旨味やコクを高めることが分かっていると説明した。

キユーピー直伝3分テクニックを紹介した
加藤有紀子さん
同社のにごり酢は、りんご果汁由来の甘味や旨味を活かしたまろやかな酸味が特長で、「酸っぱすぎる」という従来のお酢のイメージを変える“うま酸っぱい”味わいを実現しているという。
日本橋高島屋で「にごり酢フェア」展開
セミナーでは特別ゲストとして、五島敏之氏も登壇した。
同氏は、日本橋高島屋S.C.本館地下1階惣菜売場で6月30日まで開催している「酢酸菌にごり酢で『酷暑を乗り切る』フェア」を紹介。江戸時代にはお酢が醤油以上に身近な調味料だったことに触れ、「塩梅という言葉が示すように、塩味と酸味のバランスは昔も今もおいしさの決め手」と語った。