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営利5%以上獲得へ/日清オイリオ

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新中計カギ握る海外戦略

久野貴久社長

日清オイリオグループは、4カ年(2025年度~28年度)の新中期経営計画「ValueUpX」を3月21日に発表した。〝Marketing〟×〝Technology〟×〝Globalization〟を結実・進化させ、同社らしい勝ち筋で加速的な成長を実現し、ビジョン2030達成を目指す。3月25日に本社で説明会が行われ、久野貴久社長が概要を説明した。

「ビジョン2030」では、グローバルトップレベルの油脂ソリューション企業への飛躍を目指す。価値創造の6つの重点領域において、新中期経営計画では「すべての人の健康・美しく豊かな生活」と「食のバリューチェーンへの貢献」に重点を置き、次なる成長に向けた戦略を推進する。

目標値として28年度営業利益280億円(利益率5%以上)、4年間平均の成長率は9%の240億円、ROE8%以上、ROIC6%以上を設定した。なお、営業利益の前中計4年間平均成長率は9%の169億円。
また、4年間の投資額は主に無形資産を中心に900億円。成長・強靭化への資本投資と戦略を支える機能強化を図る。久野社長は「安定的な原料調達、製品の製造・供給が当たり前ではない時代。だがゲームチェンジの機会でもある」と新中期経営計画に意欲を見せた。

成長戦略は①将来の利益成長の柱となる成長戦略②新中期経営計画の成長ドライバーとなる基幹戦略③グループの安定的・持続的な成長を支える基盤戦略の3階層で推進する。ポイントとなる「基幹戦略」は大きく分けて4つ。
まず油脂ソリューションの創出力の最大化と展開領域・エリアの拡大に取り組む。一つ目はトレーサブルで高機能なチョコレート用油脂のバリューチェーン創出と拡大。CBEのグローバルシェアを重量ベースで15%以上(24年度同社推計6%)を目指す。二つ目はファインケミカル事業のグローバルシェア拡大を通じた利益成長。化粧品油剤グローバルシェアを金額ベースで10%以上(同6%)を目指す。三つ目はBtoB(BtoBtoC)における展開領域の拡大と多様な価値の創出。北米での加工用と業務用油脂の販売額を30年度に市場規模換算で500億円まで引き上げる。また機能性油脂・機能性油剤の販売額を28年度に70億円以上(23年度28億円)を目指す。

さらに脂質栄養に基づく健康課題へのアプローチ等による価値創造として、BtoCにおける生活の質の向上に貢献する製品の売上拡大と利益の安定的積み上げを図り、家庭用食用油の国内市場規模を1900億円以上(23年度1816億円)へと成長させる。
成長・基幹・基盤戦略と並行して重要となるのが、ROICマネジメント。利益率の向上と投下資本の効率化による資本収益性向上に取り組み、成長への投資につなげていく。従来思考からの転換を図り、営業スタイル、生産・物流プロセスの変革を実現する。

2025年4月7日号

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