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「日清カレーメシ」に期待/日清食品

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2024年方針を発表

安藤徳隆社長

日清食品は、2024年方針説明会を1月11日にパークハイアット東京で開催。「カップヌードル」のキャッチコピーにも使った「CRAZY MAKES the FUTURE.」を座右の銘とする安藤徳隆社長は、「新たな食の創造で世界の課題をスピーディーに解決して、人類をもっと健康に、もっとハッピーにしていく」と2030年に向けたビジョンを語った。

2023年度業績は9期連続増収となる増収増益での着地が見込め、グループの中期経営計画において7年前倒しとなる早期達成に貢献。そして創業者が残した「成長一路、頂点なし」の言葉に基づき、上方修正した売上収益1兆円、コア営業利益1千億円、時価総額2兆円のグループ目標に向けて、国内ラーメン事業の更なる伸長で貢献していく。

昨年の即席麺事業は、延べ3万2395品目(前年比125.7%)におよぶ食品値上げの中で、4~12月は食数98%・金額106%と堅調に推移。即席麺と競合関係と捉える牛丼やカレーライス、ラーメン、幕の内弁当との価格を比較しても優れたコスパを発揮したと分析する。

日清食品の具体的な施策としては「店頭のエンタメ化」と「ブランドの世界観の拡大」を通じ、消費者の購買意欲を刺激し続けた。例えばヴィレッジバンガードの店内をイメージした売り場づくりや、まるでスポーツ紙のようなチラシ販促で、実施店舗での期間中の販売金額を大幅に引き上げた。

また、組織面では2021年に営業部門をビジネスソリューション本部へと改称し、データドリブンとエンタメ化の両輪で活動を展開。昨年4月には独自開発した生成AI「NISSIN AI―chat」の実践導入を開始し、12月には営業の71%が活用するなど、年間にして一人当たり約400時間の効率化を図れると試算する。

一方、強みでもあるブランドコミュニケーションにおいては、31カ月連続でCM好感度1位を継続中。「カップヌードル」では「夏は食っとけシーフード篇」が史上最高レベルの反響から、猛暑の厳しい環境下でも前年同期比107%の販売増加に貢献。さらに「チキンラーメン」では12月の「チキラーホッパー篇」、「日清焼そばU.F.O.」では「そろそろ谷川さん」とのコラボCMが爆発的な人気を見せた。

こうしたマーケティング効果から、「カップヌードル」は7期連続、「日清のどん兵衛」は9期連続でいずれも過去最高売上更新が見込め、「日清焼そばU.F.O.」も21世紀における最高売上、「カレーメシ」は200億円ブランドが狙える勢いを見せている。

また新商品では、「カップヌードル 担担」が計画比112%、「特上カップヌードル」シリーズ4品は116%。そして昨秋展開した謎肉やイカ、エビといった具材を強調した〝まみれ〟シリーズが、2021年に期間限定で発売されたスーパー合体シリーズを超える売り上げをマーク。さらにフタ裏のネコが話題を呼んだ〝カップニャードル〟も既存品の販売増加に寄与。他にも「カップヌードルPRO」や「日清の最強どん兵衛」も着実に売り上げを伸ばしている。

23年度も増収増益見込む

そして、2024年度は「日清カレーメシ」と「完全メシ」のさらなる育成に力を入れていく。「日清カレーメシ」は2022年に売上高100億円を突破。今年も120%で成長を続け、26年度目標に売上高200億円を掲げた。安藤社長はカレーのレトルト・即席ルウ市場のスケールを引き合いに出し、「まだまだ成長できる。製品への評価は高い」と自信。実際、売り場では棚本数を広げるほど、販売数量が伸びるといった検証結果も掴んでいる。また「日清ラ王」にも注力し、袋麺市場の活性化を目指していく。

新規事業として取り組む「完全メシ」は、全国展開から1年半。累計1900万食を販売し、ブランド認知度もわずか3年で45%と着実に上昇。好調な「日清カレーメシ」が発売9年目で同程度だったことからも、「完全メシ」のポテンシャルは高い。昨年7月に発足された日本最適化栄養食協会では、第1号に「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」が最適化栄養食として認定された。また足元では、能登半島地震の被災自治体への「完全メシ」の炊き出しの準備も進めている。

さらには社食や、商品面での協業、通販チャネル向け商品開発、健康サポートなど消費者との接点を広げ、2024年度に売上高100億円(23年度約60億円)の突破を目指していく。

2024年

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