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食品業界 2020 始動

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重要局面〝協調誓う

23人の年男が乾杯(酒類食料品業懇話会)

食品業界の2020年(令和2年)が力強く始動。酒類、飲料、乳業、油脂などの各団体は新年会を催した。時代が大きく変化する中、今年は東京五輪開催など今後の社会情勢や経済動向を占う重要な局面だけに、持続的発展、課題解決に向け〝競争〟と〝協調〟姿勢をより鮮明にした。

持続的な発展を願う/酒類食料品業懇話会
國分会長が令和時代の指針示す

酒類食料品業懇話会は1月6日、ロイヤルパークホテル(東京都中央区)で令和2年の新年賀詞交歓会を開催。メーカー、卸関係者らを中心に260社900人超が一堂に参集し、令和初の新年の門出を祝った。

この賀詞交歓会は1989年の同ホテルの開業以来、100年近い歴史があり、今年も毎年恒例の君が代、一月一日の歌の合唱、國分勘兵衛会長の年頭あいさつで幕を開けた。

國分会長

國分会長は激しい地球環境の変化による温暖化、環境汚染はますます進むと指摘した上で、昨今のSDGsなどの取り組みの必要性に言及。「量やシェア拡大のみの考え方ではなく、伸びない部分は質で補うことをみんなで考えたい」と協調姿勢の重要性を示し、「再生可能な計画で業界の持続的発展を願う」と結んだ。

続いて23人の年男が登壇し日本酒で乾杯した。年男を代表して明治屋の松沢幸一社長は世界経済をはじめ、国内消費の低迷や小売業界の過当競争など「経済的には不安定になる覚悟もしなくてはいけない」と襟を正した。

また今年の干支である子年(庚子=かのえね)については、ネズミは繁殖旺盛で多種類。コミュニケーション能力が高く、まじめでコツコツやり環境適応能力が優れていると説明。「これらのジンクスを信じたい」とさらなる発展を誓った。

中締めあいさつでは森山透副会長が豪快な万歳三唱を披露。一層の活性化に向けては、競争と協調がより必要な時代になったと力強く展望した。

変化の潮流に対策を/大阪府食品卸同業会・日本加工食品卸協会
岡本支部長が課題山積で提言

大阪府食品卸同業会と日本加工食品卸協会は1月6日、太閤園(大阪市)で第54回大阪食品業界新春名刺交換会を開催。177社、540人が集まった。

昨年の国内情勢は、1年間で50万人程度の人口減少や物流費の高騰、気候変動による災害などへの対策が迫られた。またEC市場の拡大が進み、物販だけでも10兆円規模に成長、リアル店舗との競合が熾烈化。海外はブレグジットや米中貿易摩擦、北朝鮮やイランなど緊迫した状況が続く。

岡本支部長

日本加工食品卸協会近畿支部の岡本均支部長は、こうした山積する課題に対し「変化の潮流にさらされていることを意識し、対抗手段を投じるべき」と強調した。また前回の子年は2008年で、リーマンショックの影響が世界中に波及したことに触れ、「〝歴史は繰り返さないが韻を踏む〟(『トム・ソーヤの冒険』の著者マーク・トゥェインの言葉)というが、リーマンショックからいかに立ち直ったのかを教訓にしたい」と話した。

また、近畿農政局・遠藤順也次長は、農林水産省に新設される農林水産物輸出本部により、さらなる輸出支援を行うことを紹介した。

乾杯の発声は、カゴメ・堀井一彦大阪支店長が「今年のオリンピックを契機に、大阪から元気を発信しよう」と呼びかけた。懇親会では年末年始商戦が、前年並みに終わったことについて、消費増税による買い控えや祝日の減少などを要因とする声が聞かれた。一方でマスターズ・トーナメントやオリンピックによる、マインド上昇に期待する向きも多かった。

中締めは大阪府食品卸同業会の魚住直之会長が「食品業界における最大の課題は物流費の高騰。メーカー、卸が協力して解決に取り組みたい」と呼びかけ散会した。

2020年1月13日付

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