話題のLINKS UMEDA内に
近商ストアは11月16日、「LINKS UMEDA」B1階に、「Harves LINKS UMEDA(ハーベスリンクスウメダ)店」をオープン。当地でトップクラスの弁当・惣菜数を誇る食品スーパーを展開する。
大阪駅ターミナルビルの利用者は1日におよそ240万人。高いポテンシャルが見込める上に、500m商圏内に本格的なSMが見当たらないこと、近鉄グループとして大阪キタエリアへの出店が悲願だったこと、さらにはヨドバシホールディングスの要請もあり出店を決めた。この出店により「Harves」ブランドの認知向上を図る。
〝都会のにぎやかマルシェ〟を標榜。惣菜構成比を同社最大となる35%とし、うち店内調理は55%に引き上げ、鮮度・品質・品揃えを訴求。店内加工を強化する分、バックヤードのレイアウトを工夫し、作業しやすい環境を整えた。昼間は近隣オフィス需要、夕方以降は会社帰りなどをメインに梅田最大のデリカ売場を実現するべく、1日当たり200種1000食の販売を目指す。鮮魚や精肉売り場でも惣菜の品揃え強化を図った。
ただ、梅田であっても高級スーパーではなく、日常の買物ができるスーパーに位置づけている。高質品ばかりの品揃えではリピーター確保が困難なため、平日も休日も支持される店作りを目指した。
農産の半分は果物が占めている。新鮮な果実とカット野菜中心の売り場にはドライフルーツの量り売りも導入。鮮魚は寿司をメインに魚屋の弁当を展開。近鉄沿線アピールの一環として、伊勢志摩の浜島直送鮮魚を提案した。
精肉では量り売りを展開。長崎和牛とカナダビーフを訴求するほか、クリスマス向けオードブルなど肉惣菜にも注力。デリカはバイキングの強化に加えデザート類で名物作りに取り組んだ。
加工食品では菓子、酒類を豊富に揃えた。菓子は農産の近くに売り場を設けてクロス提案によってマルシェ感を演出。特にインバウンド需要への期待は大きい。酒類はホテル需要を見込み、ハーフワインは宿泊客が部屋に持ち帰ってすぐ飲めるようチルドで展開。このほかドライ、日配とも小量品を揃えた。日常買いに対応した品揃えの一方で、ヨーグルトなどでは通常SM店舗では見られない商品も扱う。メーカー側も百貨店向け商品を「梅田の店舗なら」と卸してくれるため、掘り出し物に出会える可能性も高い。なお、近鉄沿線の訴求は加工食品売場でも実施。奈良・京都の名産品を展開する。下に続く…
サービス機能の強化も図った。16台のレジのうちセミセルフ4台、フルセルフ(初導入)6台を導入。スマホ決済もペイペイ、楽天ペイ、LINEペイなどに対応し、来春からは交通系ICも利用可能に。今春、一部店舗で実験したスマホアプリによるセルフ決済は、来春から夏にかけ導入予定。
加工食品の棚への翻訳機(バーコードをスキャンすると7カ国語で商品説明)、外貨両替機も設置した。デジタルサイネージを各所に配し、商品・メニュー提案も行う。イートインは22席を用意。ホテル客がイートインで簡単に食事を済ませる場合を視野に、ビールサーバーも設置した。
1日当たりの来店客数は7000人を見込んでいる。昼間のオフィス需要構成比が高い予想から、平均単価は1000円程度を想定する。
粕本源秀社長は「都心回帰が続くなか、都心部での出店を模索していた」と説明。さらに「当店での成功事例の中で、出来るものは水平展開したい」と意欲を見せた。13日のプレオープンでは予想以上に昼と夕方へ需要が集中した様子。今後の店作りにも注目が集まる。
【店舗概要】所在地/大阪市北区大深町1番1▽規模/近商店舗面積1667.4㎡、直営売場面積1143㎡▽営業時間9時30分~22時▽店長/暮松直之▽従業員数/95人(社員19人)▽売上構成費(%)・アイテム数/農産9(400)、水産6(200)、精肉10(180)、デリカ35(700)、ドライ25(4000)、日配15(1200)※ドライ品目数のうち菓子850、酒類2400
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