売り上げが8〜9割落ち込む店舗も
外食産業経営者による有志の会「外食産業の声」委員会は、新型コロナウイルスの影響が拡大する中、4月28日に都内で「家賃支払い問題に関するパネルディスカッション」を開催。モデレーターを務めた発起人の松田公太氏(EGGS‘N THINGS JAPAN代表取締役)と外食店経営者が、各政党トップに窮状を直訴した。
新型コロナで大きな打撃を受ける外食産業。国や自治体によって様々な救済策が検討されているが、事業継続にとって毎月発生する家賃支払いが難題となっている。同委員会では22日に「家賃支払いモラトリアム法策定を求める記者会見」を開催するなど、家賃支払い問題の早急な解決に向けた活動を展開。28日には立憲民主、国民民主、共産、社民各党と日本維新の会が中小事業者の家賃負担を軽減する法案を衆議院に共同提出するなど進展も見られた。
今回のパネルディスカッションでは経営者から松田氏、西村文輝氏(六本木鮨西むら主人)、森山佳和氏(アイロム代表取締役)、菅原良平氏(EVER BREW代表取締役)、宮森宏和氏(ゴーゴーカレーグループ代表取締役)、中西景仁氏(カリカチュア・ジャパン代表取締役社長)。政党から自由民主党田村憲久政調会長代理、立憲民主党福山哲郎幹事長、国民民主党玉木雄一郎代表、公明党衆議院議員岡本三成代議士、日本維新の会足立康史幹事長代理、日本共産党衆議院議員笠井亮代議士が登壇した。
経営者側からは売り上げがこれまでの8〜9割激と大きく落ち込む店舗もあり、大きくのしかかる家賃の支払いの猶予、減免が求める。森山氏は「明日も見えない状況」、西村氏も「不動産オーナーも大変だが、家賃を払い続けなくてはいけない恐怖を感じている」と切実に訴えた。
これに対して自民党田村政調会長代理は「まずは国民の命を守り、日常生活を取り戻す。そのためにも多くの労働者の救済へ政府系、民間の金融機関で無利子、無担保の融資を検討。オンライン化など手続きの簡略化も進めている」と政府の取り組みを報告。外食産業に対しては「早急な対応が必要であり、スピード感を持って対策を講じる」と語った。
立憲民主党福山幹事長は「今回自粛要請の一方で、事業者への補償がセットになっていない」と国の取り組みをけん制。「本日各党と法案を共同提出したが外食産業にとって家賃は喫緊の課題。与野党のメンツは関係なくスピード感を持ってやらなくてはいけない」と早期の解決を強調した。
また国民民主党玉木代表も「このままでは倒産、廃業が出てしまう」と危機感を募らす。その上で「家賃支払い猶予に対し政府計金融機関は応じない理由はない。場合によっては1年以上支払いを待ってもいいのではないか」と提案した。
パネルディスカッションを終え松田氏は「各党のトップから『スピード感を持って取り組む』と力強い言葉が出た」と、家賃支払いの現状に理解を得られたと手応えを示した。
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