〝時短麺〟のラインアップを大幅強化
日清食品チルドは秋冬新製品発表会を7月29日に本社で開催。伊地知稔彦社長が上半期業績の振り返りならびに下半期を展望。マーケティング部の各プロダクトマネージャーから新製品の概要が発表された。
2018年度のチルド麺市場(SCI抽出)は、食数ベースで前年比97.1%、金額ベースでは前年比97.5%の2075億円と3年連続のマイナスで着地。ボリュームゾーンのラーメン(577億円/98.0%)、うどん(543億円/94.7%)、焼そば(412億円/95.3%)ともに振るわず。一方、猛暑に助けられた冷し中華(219億円/104.4%)が伸長。そば(257億円/100.1%)も堅調に推移した。
市場を食数別で見ると3食タイプの急激な縮小が顕著に見られ、13年から約200億円のマイナスとなる689億円。一方で2食タイプは34億円増加の836億円と堅調な推移が続く。さらにジャンル別では、3食では冷し中華を除き減少トレンド。2食は冷し中華が増加し、ラーメン、焼そばはおおむね横ばい。
今年度4―6月は天候不順が大きく影響し、前年同期比96.9%。特に冷し中華が91.3%と大苦戦。伊地知社長は「7月を含めれば90%を切る可能性が大きい」と厳しい表情ながら、同社4―7月の販売はこれまで好調に推移した「行列のできる店のラーメン」「フライパンひとつで」「つけ麺の達人」各シリーズが大幅増。新ブランド「日清のそのまんま麺」は計画を下回りながらも、売上に寄与した。
一方、市場を取り巻く環境も変化。人口減、高齢化、単身世帯の増加が加速する中で、新時代は個食と小容量需要の増加が見込める。さらに女性と高齢者の就業率アップを受けた簡便・時短商品人気の高まり。家族世帯では男性の家事参加が増え、消費財の各ジャンルから家族世帯をサポートする商品が相次ぐ。
とはいえ「変わらないものもある」と語るのはマーケティング部の延安良夫次長。食事で重要視されるのは「やはりおいしさ」と指摘。「これはチルド麺の最大の強み」と語り、秋冬は本格ファミリー層から、時短ファミリー、本格個食、時短個食まで注目されるニーズに対応する。
伊地知社長も「今後は時短がコアになる」と語り、調理と即食の両面で〝時短〟を追求。そして個食のさらなる強化。単身世帯向けの完結型商材を拡充することで、低迷するチルド麺市場の活性化を図る。「成長余地はある。潜在ニーズを顕在化できるかにかかっている」と意欲を示した。
なお秋冬新製品21品、リニューアル品18品を9月1日(一部8月19日)から発売する。主な商品は次の通り。
発売32年目を迎えた「日清のラーメン屋さん」シリーズ5品をリニューアル。湯切り不要麺の簡単調理に加え、コシと小麦の風味を向上させた〝強ゴシちぢれ麺〟に進化し本格感をアップ。パッケージも発売当初から続いた白を基調としたデザインから、簡便性と本格感が伝わる内容に全面的に刷新した。
「鶏ガラしょうゆ」「まろやか信州みそ」(各全国)、「香味野菜しお」(関東・中部地区)、「豚骨しょうゆ」(関東~中四国地区)「博多風豚骨」(近畿以西)。各2人前、300円。
「行列のできる店のラーメン」シリーズに新製品2品。「同 シビ辛濃厚味噌2人前」374g(麺220g)を全国で、「同 まろやか鶏塩2人前」326g(同)を九州・沖縄を除く全国で発売。さらに「同 横浜家系2人前」をリニューアル。各450円。また、本格的な具材でさらにおいしくする「同 炙り厚切りチャーシュー&メンマ」31gを新発売。158円。
個食シーンへのこだわりの一杯。日清の1人前シリーズに、「俺の一杯 行列のできる店のラーメン 背脂こってり豚骨1人前」182g(105g)を関東地区で、「私の一杯 行列のできる店のラーメン トマトラーメン 1人前」158g(110g)を東北・関東・中部地区でそれぞれ新発売。各240円。
「つけ麺の達人」シリーズには、初のアソートパックが登場。「つけ麺の達人W 辛魚介鶏白湯&カレー鶏白湯 2人前」382g(300g)を8月19日から北海道~中四国地区で新発売。360円。また、9月16日~10月13日に既存品を含めた3品で麺増量(4食につき30g)キャンペーンを今年も実施する。
「一度は食べてみたかった日本の名店」シリーズには札幌味噌ラーメンの新定番、〝白湯味噌〟の人気店の味わいを再現した「同 麺屋雪風 濃厚白湯味噌らーめん 2人前」366g(220g)を北海道~中部地区で新発売。460円。
鍋一つ、湯切り不要の簡単調理。しかもチャーシューとメンマの入った1人前「日清のラーメン屋さん plus チャーシュー麺」シリーズ2品を北海道~九州地区で新発売。「同 鶏ガラ醤油 1人前」170g(100g)、「同 コク味噌1人前」174g(同)。各300円。
電子レンジで90秒の簡単調理。チンして具入りたれをかけるだけ。「まぜ麺の匠 ゆでずにレンジで時短麺」2品を北海道以外の全国で新発売。「同 汁なし担々麺 1人前」197g(150g)、「同 ジャージャー麺 1人前」208g(同)。各240円。
「日清のどん兵衛」シリーズ最速の〝30秒どん兵衛〟。鍋でサッと茹でるだけの時短麺。「日清のどん兵衛 サッとお鍋で時短麺」シリーズ2品を東北~近畿地区で新発売。「同 天ぷらうどん 1人前」215g(170g)、「同 きつねうどん 1人前」228g(同)。各240円。
「日清のどん兵衛 天ぷらそば」にチルド鍋焼タイプが新登場。しかも湯切り不要の〝生そば〟を採用した本格的な味わいが特徴。「鍋焼 日清のどん兵衛 天ぷらそば」を北海道・沖縄以外の全国で発売。300円。さらに東日本と西日本でつゆの味わいを変えた。天ぷらはカップ麺と同じ天ぷらを採用した。関東風そばつゆの東日本向けは145g(90g)。昆布をきかせた関西風そばつゆの西日本向けは141g(同)。
この他、「フライパンひとつで」シリーズを対象に「グリーンパン メイフラワー」シリーズのフライパンが300人に当たるキャンペーンを10月1日~11月30日まで実施。「日清の太麺焼そば」シリーズは8月12~31日に麺増量(1食につき20g)キャンペーンを展開する。
WEB先行記事