漁港がビジネスの舞台に 海業をシーフードショーで発信
水産庁は、8月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催される「第28回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」に出展し、海や漁村の地域資源を活用した地域活性化策「海業(うみぎょう)」を紹介する。漁協や自治体と民間企業を結び付ける「官民連携海業振興ポータルサイト」の活用を提案し、新たな海業プロジェクトの創出を後押しする。
日本の漁業は、水産資源の変動に加え、漁業就業者の減少や高齢化、漁村人口の減少など、構造的な課題を抱えている。漁獲量の伸びだけに依存した地域経営は難しくなっており、漁港や漁村が持つ資源を生かした新たな収益源の確保が全国的な課題となっている。
こうした状況の中で期待されるのが「海業」だ。海や漁村の自然、食文化、景観、歴史などの地域資源を生かし、観光や体験型コンテンツ、飲食、物販、教育などと組み合わせることで、地域に新たな交流人口や雇用、所得を生み出す取り組みとして注目を集めている。漁業を核にしながらも、地域全体で稼ぐ仕組みづくりを目指す考え方であり、近年は全国各地で官民連携による実践例が増えている。
今回の出展では、「海業を知る」「海業取組マップ」「海業の取組事例」「官民連携海業振興ポータルサイト」の4つをテーマに展示を実施する。海業の概要や、水産庁が選定した全国110地区の取り組み状況、先進事例を紹介するほか、地域と企業を結び付けるポータルサイトの活用方法も案内する。
同ポータルサイトでは、海業に取り組みたい漁協や自治体の情報、参画を希望する民間企業の情報、先進事例や関連制度などを掲載し、双方のマッチングを支援する。観光や食品、流通、外食、教育、ITなど幅広い業種の参画を想定しており、新たな地域ビジネスの創出につなげたい考えだ。
ブースには全国漁業協同組合連合会の担当者も参加し、海業への参画を検討する企業や自治体からの相談に応じる。
8月20日には、水産庁主催のセミナーも開催。長崎県上対馬地区や福井県高浜町の担当者らが、地域と民間企業が連携して海業を立ち上げた経緯や役割分担、課題、成果などを紹介する予定で、海業に取り組む自治体や漁協、企業にとって実践的なヒントとなりそうだ。

長崎県上対馬の海業拠点施設「おっどん市場」

福井県高浜町の6次産業施設「UMIKARA」
水産庁は、海業を単なる地域振興策ではなく、水産業の持続的な発展を支える新たな成長戦略の一つと位置付ける。民間企業のノウハウや投資を取り込みながら、漁村の魅力を新たな価値へと転換し、地域経済の活性化につなげられるかが今後の鍵となる。
第28回 ジャパン・インターナショナル・シーフードショー
https://seafoodshow-japan.com/tokyo/
官民連携海業振興ポータルサイト
https://umigyo-portal.jp/
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