小容量サイズ展開し拡充

宮本洋一社長
乾物の新しい時代を予感させる乾燥野菜が、いま注目を集めている。メディアでおなじみの大手小売業で販売中の「いろんな料理をおいしくする具350g」が、乾物としては異例の売れ行きを続けている。手掛けたのはポイント関連事業を中心に、小売業のソリューションビジネスを展開するブルーチップ(東京都江東区、宮本洋一社長)。この春、幅広い売り場での取り扱いを可能にした70gサイズを新たに発売し、さらなる認知拡大を図っていく。
ブルーチップが乾燥野菜ビジネスを始めたのは創業60周年を迎えた2022年10月に、フーズ事業部の第1弾商品として発売したのがキッカケ。SDGsや食品ロス問題に貢献し、時短・簡便調理や健康、ローリングストックにも使える乾燥野菜の将来性に着目した。
当初、ユニーでのテスト販売において一定の成果を確認し、翌年の23年2月に開催されたスーパーマーケット・トレードショーに出展し大々的にアピールしたところ、話題の大手小売業からオファーを受けた。そこから検討をはじめ、昨夏ごろから実際に店舗での販売を開始。SNSを通じた情報拡散が話題を呼び、店頭に並んでも直ぐに完売してしまう状況が繰り返された。
想定を超える消費者の反響に宮本社長も驚きを隠せない。「当初は年間で5千万円ほど売れれば」と始めたビジネスだったと言うが、嬉しい悲鳴とはまさにこういうことか。今春からようやく生産・供給体制が整い大手小売業からの注文に応えることが可能になった。今期の売上規模は数億円を見込む。
そして、もっと幅広いチャネルでの販売を可能にする小容量サイズ「いろんな料理をおいしくする具」70g(398円)を4月21日から発売する。従来同様に、タマネギ、キャベツ、チンゲンサイ、ニンジン、ネギの5種類をミックス。水で戻すだけで手軽に野菜として使えるため、野菜サラダやお好み焼き、味噌汁、ラーメン等の具材として活躍できる。パッケージは、乾物売り場では珍しいアルミ蒸着スタンディングパウチを採用した。裏面にはレシピサイトにアクセスできるQRコードも記載している。
5月19日からは第2弾として和風タイプも発売する。タマネギ、ハクサイ、ホウレンソウ、ニンジン、ネギの5種類をミックス。内容量は50g、価格は通常品と同じ398円。うどんやそば、味噌汁、おひたし等に使える。
既に大手小売業からの問い合わせも多く、全店採用が決まったチェーンも見られる。ある意味、異業種企業の成功が乾物業界全体の活性化、さらには食の安全保障の観点からも注目が集まる取り組みとなっている。
2025年4月21日付