価格改定進め産地継続を
奈良県三輪素麺工業協同組合(小西幸夫理事長)と奈良県三輪素麺販売協議会(池田利一会長)は2月5日、三輪素麺の相場を占う神事「卜定祭」を、奈良県桜井市の大神神社で催行。例年であれば全国から乾麺関係者が集結するが、今回も感染症対策を徹底するため、三輪素麺関係者のみ約20人が集った。
神事では神主のお祓い、巫女の浦安の舞、玉串拝礼を催行。同神社は疫病退散の神徳もあることから、関係者は商売の発展とコロナの早期収束を祈念した。三輪素麺の卸価格相場を占う卜定の儀は、あらかじめ高値・中値・安値を設定し神託で選ばれる。今年の「三輪の誉厄前18㎏」は、2年ぶりの高値となる1万1000円となった。
三輪素麺の今期生産量は、前期並みの約25万箱弱(18㎏)を計画。その内、組合は約9万6000箱の生産を予定し、原料高などを受けて昨年から約3%の値上げを進めている。小西理事長は高値の御宣託について、原料高や値上げも踏まえての思し召しと捉えつつ、産地が継続していくためには値上げが必要であることを強調。足元では原料費や人件費のさらなる高騰から3%の値上げでは十分なコスト吸収ができず、組合員には補助金を給付して負担を抑えていると明らかにした。
産地では高値の年はよく売れると言われ、今年の商売に期待を寄せるほか、農水省の新たな動きと連動して「三輪素麺」の地理的表示(GI)の啓発を進めていく。
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