業務の生産性向上も推進
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岩橋恭彦社長
日清製粉ウェルナは2月5日、「マ・マー70周年 リブランディング&2025年春 新製品 記者発表会」を東京・神田スクエアで開催した。また、広告契約を結ぶ大谷翔平選手からのメッセージ動画、ならびにビジュアルが公開された。
2022年1月の社名変更から3年が経過。新たなコーポレートブランド「日清製粉ウェルナ」と、長年親しまれてきた「日清」「マ・マー」「青の洞窟」といったファミリーブランド。壇上に立った岩橋恭彦社長は「今年はさらなる認知拡大と企業価値向上を目指し、新たな施策を展開する」と力強くブランド戦略の強化を宣言。大谷翔平選手からのメッセージ動画を紹介し、70周年の節目を迎えた「マ・マー」ブランドをアピール。
さらに始動したグローバル戦略、今春欧州での販売開始を予定する「HAYAYUDE」に手応えを見せ、ベトナムに関しては現地と中継を結びベトナム日清テクノミックの水田成保社長から現状報告。パスタソース、炊き込みごはんの素はともに予想以上の配荷となっている。
一方国内では、人手不足対応製品の強化を掲げる業務用において、グループ会社の日清製粉プレミックスは新シリーズ「米粉のめぐみ」4品を2月26日から発売する。熊本製粉の米粉「瑞穂 菓子用米粉」を使用した「メレンゲいらずの米粉入りシフォン」(1㎏×10袋)は、メレンゲを使わなくてもふんわり食感を提供できる。
また、35年にわたって同社がけん引するチュロス市場において、直近4年間で4倍以上の売上増加を見せている。今春は家庭用トースターでも調理できる約20㎝サイズが8本入った「ハーフチュロス」2品(いちごクリームソース入り・カスタードソース入り/各344g)と、さらに約4.5㎝と小さい「パクっとチュロス」1品(いちごクリームソース入り/500g)を3月3日から順次展開する。
こうした商品開発をバックアップする物流・需給業務のDX化にも力を注いでいる。昨年10月から運用を開始した「冷凍食品の需給管理自動化システム」を説明。今後の業務生産性の向上に向けた取り組みを加速させる考えを示し、①AI等のDX活用②製品マーク数の削減③物流課題への取り組みを推し進めていく。
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パスタ市場においてNB製品シェア約4割のナンバーワンブランド、単品では「マ・マー早ゆでスパゲッティ結束1.6㎜500g」が昨年も売上トップに輝くなど、親しまれる「マ・マー」ブランドが70周年を迎えた今年、リブランディングを行う。その目的について商品開発本部長の伊藤俊二常務取締役は、①新規ユーザーの獲得②おいしさの強化③ロイヤルユーザーの支持継続を挙げ、「いつの時代も愛されるブランドへと進化させる」と期待を寄せた。
新しくなった「マ・マー」スパゲッティは、新しいロゴによるパッケージ変更だけでなく、今までよりも〝プリッと、モチっとした食感(弾力・粘りをアップ)〟と黄色みをアップさせた。デュラムセモリナの挽き方を見直し、パスタ本来のおいしさであるアルデンテ食感をさらに追求した。
また、今春の新商品に関する開発方針について社会や消費、食卓の変化を挙げながら、多様な消費者(共働き世帯・単身世帯の増加)と、価値あるものへの関心(タイパ・コスパなどの付加価値)に応える「定番商品の価値向上」と「新規ユーザーへの対応」(マ・マーのリブランディング)、そして「新市場の開拓」(日清 マジサクット)の3点を挙げた。
アイテム数は常温26品、冷凍17品の合計43品を発売。売上目標は常温・冷凍ともに30億円、業務用10億円の合計70億円を計画。同時に生産性向上に向けて総アイテム数の約15%削減に取り組む。
2025年2月17日付