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チャレンジ商品登場/キッコーマン食品・シマヤ~食の挑戦③~

投稿日:2022年12月19日

気になる「大豆麺」「神豚」

多くのメーカーにとって、改定価格の浸透が最優先課題となっている。ただ、今秋の新商品の中には話題性の高いチャレンジ商品も見受けられた。その一部をここに紹介し、来年からの新需要の創造に期待したい。

キッコーマン食品は、同社としては初の主食提案となる「大豆麺」シリーズを発売。初回配荷は順調に進み、店頭露出度も高まっている。

乾麺や同社の「うちのごはん」などメニュー調味料の売り場での展開が多いが、どの売り場が最適なのかを含め、全てが実験段階にある。シリーズ4品のうち、最もスタンダードな「香る生姜かきたま」が比較的売れ行きが良いが、他のフレーバーと大きな格差はなく需要は分散しているようで、これについても今後、検証が進みそうだ。

消費者の味わい・品質評価も意見が分かれる傾向。これらの検証を踏まえ、今後、リニューアルを含む実需に合った商品開発も視野にあるようだ。ただ、調味料大手がこれまでなかったカテゴリーに進出したことや健康意識を刺激する新たな主食提案に、小売側も期待しているのは確か。ポップやプロモーションなどをフル活用、小麦と大豆を半分ずつ使用し、健康性だけでなくおいしさを実現した商品であることなど、価値訴求の本格推進に期待したい。

「だしの素」で知られるシマヤが発売した「神豚の素」もチャレンジ商品。豚かたまり肉を同商品に漬け込み、自家製叉焼作りを提案するもの。関西の大手小売りで導入されたほか、東日本での採用率が高まっている。

東日本の小売業の中には、年末商戦に向け豚かたまり肉のパッケージに「シマヤの神豚でチャーシューが作れる」と書かれたシールを貼って、家庭内調理を促す企業も。また、別の店舗ではラーメン売り場に陳列ボックスを置いて、関連販売するなど小売り側も意欲的。豚肉の販売を促進し点数・単価アップに貢献することが期待される。

SNSでも話題となっており、実際、手作り叉焼に挑む人の投稿が相次いでいる。近年人気のガッツリ系ラーメンのパンチのある味わいに、ぴったりな叉焼が作れることが魅力だ。他の調味料とブレンドし、自分好みの味わいにアレンジする人やつけ汁を煮卵の味付けに使用するなど好評を得ている。

ところで今回紹介した2品もそうだが最近〝フリーアドレス〟な商品が増えてきた。つまり定番売り場を定めにくい商品だ。新しいタイプの商品が増えると当然ながら、適正な売り場がどこなのかも考える必要がある。検証して定番を確保するのか、関連販売専用とするのか、こうした見極めも業界が取り組むべき挑戦といえるだろう。

2022年12月19日付

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